すみれと出会ってしまった今、この世のどこかに『触れられる青薔薇』が現れようが、そんなことはどうでもいい。
俺は、すみれにしか触れたくない。
すみれの熱だけを、この掌で確かめたい。
それが、俺が出した唯一の答えだ。
それでも千鶴は、唇を震わせながらも目を逸らさない。
『怖い』より先に、『正しい』があるのだろう。
宮家と言う檻の中で育った価値観が、彼女をここまで盲目にしている。
だが、盲目であろうと——現実は変わらない。
俺の手は、触れたものを壊す。
壊した後のそれは、元には戻らない。
「そこまで言い張るなら——『王華』と言われる我が『黒薔薇』の威力……その身をもって試してみるか?」
低い声で告げ、逃げ場を塞ぐように右手を伸ばす。
あと数センチで、頬に触れようかと言う距離。
「ひっ……!!」
千鶴は悲鳴を上げ、着物の裾で顔を覆い隠すようにして、ソファの端へ逃げるように身を寄せた。
わずかな隙間から覗く瞳は、涙を浮かべ、恐怖で引き攣り、俺を拒絶している。
己の異能を目の当たりにした後の、この視線。
そんなものは、とっくに慣れきっていたはずだった。
「千鶴。……それが、お前の答えだ」
俺は、すみれにしか触れたくない。
すみれの熱だけを、この掌で確かめたい。
それが、俺が出した唯一の答えだ。
それでも千鶴は、唇を震わせながらも目を逸らさない。
『怖い』より先に、『正しい』があるのだろう。
宮家と言う檻の中で育った価値観が、彼女をここまで盲目にしている。
だが、盲目であろうと——現実は変わらない。
俺の手は、触れたものを壊す。
壊した後のそれは、元には戻らない。
「そこまで言い張るなら——『王華』と言われる我が『黒薔薇』の威力……その身をもって試してみるか?」
低い声で告げ、逃げ場を塞ぐように右手を伸ばす。
あと数センチで、頬に触れようかと言う距離。
「ひっ……!!」
千鶴は悲鳴を上げ、着物の裾で顔を覆い隠すようにして、ソファの端へ逃げるように身を寄せた。
わずかな隙間から覗く瞳は、涙を浮かべ、恐怖で引き攣り、俺を拒絶している。
己の異能を目の当たりにした後の、この視線。
そんなものは、とっくに慣れきっていたはずだった。
「千鶴。……それが、お前の答えだ」



