不意に投げかけられた核心。
なぜ——それは私自身が幾度も自分に問い、そのたびに答えを見失ってきた問いだ。
『無華』で、何の『異能』も持たず、ただ震えているだけの私。
それでも『側にいてほしい』と望まれ、私も応えたいと願った。
……少なくとも、私はそう思っている。
けれど暁臣様は、本当は私の何を見ていらっしゃるのだろう。
「千鶴の方が、ずっと暁お兄様に相応しいと思いませんこと?」
「っ……」
否定したかった。
——けれど、喉がきゅっと縮んで、声が出ない。
私自身も、心の奥底でそう思っていたから。
お二人が並び立つ姿は、眩いほどに美しく。
誰に尋ねたって、『その通りだ』と答えるに違いない。
「あの……暁臣様は、『黒薔薇』の『異能』を……」
「ええ、もちろん存じ上げておりますわ」
触れるものすべてを塵芥に変える、暁臣様の『異能』。
この世界で唯一、彼が素手で触れられる相手。
それが私だと——そう聞いている。
「けれど千鶴は、宮家の王女であり、『青薔薇』ですわ。……この世に恐れるものなど、何一つありませんわ」
千鶴様は、ためらいもなく微笑んだ。
誇らしげに、真っすぐに断言する姿。
私では一生かかっても持ち得ることができない、全身から放たれる自信。
考えて、考えて、結局いつも怖いものに蓋をしてしまう卑屈な私。
自らの血と生き方に誇りを持つ彼女。
千鶴様は——暁臣様を愛している。
そしてもし、暁臣様が千鶴様に触れることさえできたなら。
私なんかが、彼女に敵う道理など、どこにもない。
千鶴様のような『光』を差し置いて、この私が選ばれる未来なんて、想像することさえおこがましい。
ただ『暁臣様に触れられる』。
それだけを唯一の絆として縋ってきた。
けれど今、圧倒的な品格と力を持って隣に座る千鶴様の前では、その一点さえ、何の意味も持たない虚しい偶然のように思えてならなかった。
なぜ——それは私自身が幾度も自分に問い、そのたびに答えを見失ってきた問いだ。
『無華』で、何の『異能』も持たず、ただ震えているだけの私。
それでも『側にいてほしい』と望まれ、私も応えたいと願った。
……少なくとも、私はそう思っている。
けれど暁臣様は、本当は私の何を見ていらっしゃるのだろう。
「千鶴の方が、ずっと暁お兄様に相応しいと思いませんこと?」
「っ……」
否定したかった。
——けれど、喉がきゅっと縮んで、声が出ない。
私自身も、心の奥底でそう思っていたから。
お二人が並び立つ姿は、眩いほどに美しく。
誰に尋ねたって、『その通りだ』と答えるに違いない。
「あの……暁臣様は、『黒薔薇』の『異能』を……」
「ええ、もちろん存じ上げておりますわ」
触れるものすべてを塵芥に変える、暁臣様の『異能』。
この世界で唯一、彼が素手で触れられる相手。
それが私だと——そう聞いている。
「けれど千鶴は、宮家の王女であり、『青薔薇』ですわ。……この世に恐れるものなど、何一つありませんわ」
千鶴様は、ためらいもなく微笑んだ。
誇らしげに、真っすぐに断言する姿。
私では一生かかっても持ち得ることができない、全身から放たれる自信。
考えて、考えて、結局いつも怖いものに蓋をしてしまう卑屈な私。
自らの血と生き方に誇りを持つ彼女。
千鶴様は——暁臣様を愛している。
そしてもし、暁臣様が千鶴様に触れることさえできたなら。
私なんかが、彼女に敵う道理など、どこにもない。
千鶴様のような『光』を差し置いて、この私が選ばれる未来なんて、想像することさえおこがましい。
ただ『暁臣様に触れられる』。
それだけを唯一の絆として縋ってきた。
けれど今、圧倒的な品格と力を持って隣に座る千鶴様の前では、その一点さえ、何の意味も持たない虚しい偶然のように思えてならなかった。



