声に出した瞬間、自分でも驚くほど息が震えた。
最初は、蔵の中から救い出していただいたご恩をお返ししたいと言う、義務感のようなものだった。
けれどそれはいつしか形を変え、誰に求められたからでも、望まれたからでもない——私自身の願いになっていた。
逃げたいのに、離れたくない。
怖いのに、手を伸ばしたい。
そんな矛盾ごと、あなたに向かってしまう。
「でも……どうしたらいいのか、わからないんです。暁臣様の隣に相応しい女性になるには、どうすればいいのか……教えて頂きたいんです」
暁臣様のことを想うだけで、呼吸が苦しくなったり、心臓が跳ねるほど激しく鼓動を速めたりする。
これが恋でないとしたら、この世に恋なんて言葉は存在しない。
恋であってほしい。
私の人生で最初で最後の恋は、暁臣様であってほしい。
自覚してしまったあの日から、どう伝えればいいのか分からず、何度も言葉を飲み込んできた。
けれど溢れ出しそうなこの想いは、日に日に輪郭をはっきりとさせ、私の内側で大きく膨らんでいる。
もう、嘘がつけない。黙っていたら、私の方が壊れてしまう。
「すみれ……本当にいいのか?そんなことを言って。……俺は、お前が夢見ているほど、優しい男ではないかもしれないんだぞ」
優しくない?
いつだって暁臣様は優しいのに。
そんなこと、一度だって思ったことはない。
「……暁臣様になら、何をされても……私は、大丈夫です」
口にしてから気づく。
これは、私の覚悟の言葉でもあり、この方の理性を揺らす言葉でもあるのだと。
側にいたいと願ってしまった。
次は、彼の心がほしいと望んでしまった。
そして今、この溢れる想いのすべてを受け止めてほしいと、口に出してしまっている。
「すみれ……それは、煽り過ぎだ。そんな顔をされたら、婚儀の日まで待てずに、今すぐ俺のものにしてしまいたくなる」
私は、とっくにあなたのものです。
そう答えても構わないのに、声が喉で絡まって出てこない。
代わりに、暁臣様の腕が私の背に回り、ふわりとベッドへ押し込まれる感触がした。
乱暴ではない。
拒めないほど、優しい。
けれど——その優しさの奥に、熱が潜んでいる。
『無華』で、誰からも価値がないと言われ、存在をないもののように扱われてきた私を、
暁臣様は一人の人間として初めて扱ってくれた。
だから私は、きっと——あの蔵から救い出された瞬間に決めていたのだ。
最初は、蔵の中から救い出していただいたご恩をお返ししたいと言う、義務感のようなものだった。
けれどそれはいつしか形を変え、誰に求められたからでも、望まれたからでもない——私自身の願いになっていた。
逃げたいのに、離れたくない。
怖いのに、手を伸ばしたい。
そんな矛盾ごと、あなたに向かってしまう。
「でも……どうしたらいいのか、わからないんです。暁臣様の隣に相応しい女性になるには、どうすればいいのか……教えて頂きたいんです」
暁臣様のことを想うだけで、呼吸が苦しくなったり、心臓が跳ねるほど激しく鼓動を速めたりする。
これが恋でないとしたら、この世に恋なんて言葉は存在しない。
恋であってほしい。
私の人生で最初で最後の恋は、暁臣様であってほしい。
自覚してしまったあの日から、どう伝えればいいのか分からず、何度も言葉を飲み込んできた。
けれど溢れ出しそうなこの想いは、日に日に輪郭をはっきりとさせ、私の内側で大きく膨らんでいる。
もう、嘘がつけない。黙っていたら、私の方が壊れてしまう。
「すみれ……本当にいいのか?そんなことを言って。……俺は、お前が夢見ているほど、優しい男ではないかもしれないんだぞ」
優しくない?
いつだって暁臣様は優しいのに。
そんなこと、一度だって思ったことはない。
「……暁臣様になら、何をされても……私は、大丈夫です」
口にしてから気づく。
これは、私の覚悟の言葉でもあり、この方の理性を揺らす言葉でもあるのだと。
側にいたいと願ってしまった。
次は、彼の心がほしいと望んでしまった。
そして今、この溢れる想いのすべてを受け止めてほしいと、口に出してしまっている。
「すみれ……それは、煽り過ぎだ。そんな顔をされたら、婚儀の日まで待てずに、今すぐ俺のものにしてしまいたくなる」
私は、とっくにあなたのものです。
そう答えても構わないのに、声が喉で絡まって出てこない。
代わりに、暁臣様の腕が私の背に回り、ふわりとベッドへ押し込まれる感触がした。
乱暴ではない。
拒めないほど、優しい。
けれど——その優しさの奥に、熱が潜んでいる。
『無華』で、誰からも価値がないと言われ、存在をないもののように扱われてきた私を、
暁臣様は一人の人間として初めて扱ってくれた。
だから私は、きっと——あの蔵から救い出された瞬間に決めていたのだ。



