独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

 その日の夜、悪夢を見た。
 狐ノ上(このうえ)家で、ずっと虐げられている夢。
 蹴られたり、殴られたり、水をかけられたり。
 全て、私が経験したことのあるものばかりだった。
「助けて。痛い、痛いよ……」
 幼い日、真っ暗な地下室に閉じ込められた時、私は悟った。
 私に、味方なんていないのだと。
 私を助けてくれる人はいないのだと。
 それ以来、痛みを感じなくなった。
 どれだけ蹴られても、罵られても。
 何も感じなくなった。
 ……でも、苦しかった。
 孤独が、辛かった。
 そんな中、やっと一筋の光が差し込んできたかと思ったら、また夜に戻される。
 ずっと真っ暗な夜だった。
 ……夜が、明けなかった。
 助けて、誰か……。