独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

「……(ゆき)。明日は街へ行こうと思う」
「はい……」
「準備しておけ」
「え……?」
 夜。
 (ひじり)さまから、そう言われた。
「一緒に行きたいんだが、ダメか?」
「いえ、そんな……。でも、私と一緒なんて……」
 出来損ないの私と一緒に街に出るなんて、良いのかな。
「……服は用意する。9時に月の間に来い。いいな」
「はい……」
 寝室に入っていく(ひじり)さまを、じっと見つめることしかできない。
 私なんかと街に出て、(ひじり)さまの迷惑にならないだろうか。
 足手纏いに、ならないだろうか。
 妖術の訓練はしっかりしている。
 でも、まだ使えない。
 ……本当に、使えるの……?