独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

「……で、花咲(はなさ)ちゃん。最近、あの人とはどうなの?」
「ど、どうって……。別に、何も?」
 花咲(はなさ)さんには、ずっと想っている幼馴染がいるらしい。
「え~?許婚なんでしょ?なんか進展ないの?」
「ないですよ!」
 真っ赤な顔を必死に隠す花咲(はなさ)さんは、とても可愛い。
 恋する乙女って、良いな。
「ちょっ、(ゆき)さままで!何笑ってるんですか!」
 調理場に、和やかな空気が流れる。
 ……私も、(ひじり)さまのこと……。
「さ、(ゆき)さま。そろそろ行きますよ!」
「……ねえ、花咲(はなさ)さんの好きな人って、どんな人なの?」
 どうしても気になって、思わず聞いてしまう。
「……優しくて、カッコよくて、強い人」
 照れているのか、そっぽを向いている。
 へー。
 そうなんだ。
「私にも、好きな人、できるのかな……?」
「できるんじゃないですか?(ひじり)さまとか、カッコいいし、優しいし」
 優しいのか……?
「あの人、冷たそうに見えて、意外と優しいんですよ」
 よく分からないけれど、よく見ておこう。
 もしかしたら、優しいところが見つかるかも。