私の居場所は、大好きなみんなが過ごす世界でした

「ハナメンのみんなに相談あるんだけどいい?」
正樹さんが一緒にいることにも、馴染んできた。
私の言葉を聞いたみんなは、行っていたことを中断して顔を上げる。

「小説執筆に挑戦してみようと思って、機能実際に机に向かったんだ。でも、よく考えたらどんなこと書いたらいいのかわからなくて。だから、みんなのアイデアを聞かせてほしいな」

「だったら、俺たちと出会ったこととかこの世界のこと書いてよ」

その日から、現実もアニメ世界で過ごす時間も執筆に当てることが多くなった。
優斗の提案通り、実体験を書くことになった。

冒頭は、優斗と出会って親しくなる場面。
そして、蘭や晴翔と出会ってたくさんの推しと一緒にいれるようになる。
ある時には読書会をして、みんなで話した。

蘭に告白されて、映画館デートに行ったこと。
推しに会えたことだけで幸せだったのに、これは驚きだった。

それから、優斗が正樹さんを連れてきて、ハナメンが結成された。
最後は、私もあるアニメの人物だったで締めた。

◇◇◇

「小説、下手だと思うけど書き上げたよしたよ」
そう言って、原稿を渡す。
あれから行き詰まったりもしながら、やっとの思いで書き上げた。
そして、みんなに回していった。
正樹さんは来てないんだけどね。

書き上げられて嬉しい気持ちはもちろんあるけど、登場人物の元になった本人に見せるのは、恥ずかしいような複雑な感情だ。 

「すごくいいと思う。臨場感があって、描写とかもわかりやすい」
「書き上げられたことだけで、すごいって」
「内容が面白くて、一気読みできた」

それぞれ、感想を述べてくれた。
みんな的確で、読書家らしいなと思った。

「ありがとう。もっと上手に書けるようにもう少し頑張ってみようかな」
もう続けないんだろうなと自分では思っていたけど、、好きな人に読んでもらえて感想をもらえるという嬉しさややりがいがあるなら、頑張れるかもしれない。

◇◇◇

「私だけアニメキャラクターではないのに、ずっとこの世界に来ていていいの?」
今日は珍しく優斗と二人きり。
ずっと考えていたけれど、いつメン全員の前では言えなかったことを優斗に問いかけた。

「アニメキャラクターではないってどういうことだよ」
優斗は驚きつつも笑みを見せながらそう言った。
「どういうことって?」
優斗の意味のわからない発言に反芻するように問いかける。

「陽菜もアニメキャラクターだろ。学園アニメの」
優斗の言葉で記憶がよみがえる。
私は学園アニメのキャラクターだということを。
優斗のアニメ世界に来ることが当たり前となりすぎ、楽しすぎてすっかりそのことを忘れていた。


「そうだね。変なこと言ってごめん。まだここに来てハナメンと過ごすからね」
私は自信に満ちた口調で宣言するように言った。
「当たり前だ」
優斗はその言葉を聞いて安心したような表情を見せたように思えた。

「うん。でも、どうして私のアニメのこと知ってるの?」
忘れていたぐらいだから、話したことはあるはずがない。

「ハナメンのことは知ってる。そもそも、ここアニメキャラクター以外来れないから」
「そのこと教えてくれてたら、アニメのこともっと早く思い出せたのに」

「言ったつもりでいた」
優斗でも、抜けてるところあるんだね。
意外な一面がみれた。
「聞いてない、初耳だよ」
笑いながら言葉を返した。

「じゃあ、改めてこれからもよろしくね」