「現実に、優斗さんみたいな人がいたらいいのに」
アニメを見終わった私は、何気なくつぶやいた。
もちろん、実在するわけではないことはわかってる。
だけど、今日は現実から逃げ出してみることにした。
そうして、私は夜にこっそり家を抜け出し、近くの公園に向かった。
「えっ、ここどこ!?」
ブランコに座ってたはず。
なのに、目の前には知らない景色が広がっていた。
いや、少しは知っているかもしれないこの光景を。
そして、夜のはずなのに、辺りは昼のように明るい。
「どうしよう」
見回すと、私が少し前まで見ていた人気バトルアニメの敵らしき人影が目に飛び込んできた。
「こっちだ。危ないから早く来い」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「えっ、優斗さん!?」
振り向くと思った通り、私の推しである優斗さんがいた。
やっぱり、ここは現実じゃないんだ。
今となって、やっと受け入れられる。
「しーっ。気づかれるだろ。いいから、ついてこい」
私の返事を待たずに歩き出す。
少し、早足でついていく。
しばらく住宅街を歩いていくと、優斗さんはひっそりと佇む一軒家の前で立ち止まった。
「えっと、ここは……」
「俺の家だ。話したいことがたくさんあるんだけど、長くなりそうだから家に上がっていけ」
私は、家に入るのを躊躇う。
初対面の人についていって、家に入るなんて普通ならやらない。やったら、よくないことだってこともわかってる。
でも、ここは現実ではない。
そして、目の前は推し本人。
「まず最初に聞くけど、おまえの名前は何?あと、ここの世界の人じゃないよな?」
結局、家に上がらせてもらった。
そして、優斗さんは単刀直入に聞いてくる。
「陽菜です。私自身もはっきりしないんですけど、ここの世界の人ではないと思います。優斗さんでいいんですよね?」
聞かれたことについてまとめて答え、一応、優斗さんについても確認しておく。
推しを間違えるはずないけど、まだ信じられない。
「優斗だ。俺のことを知ってたんだな」
「あっ、はい」
少し曖昧に答える。
さすがに、推しです、なんて言えない。
「それなら、これからここの世界について話すな」
まず、私の世界とこの世界、アニメ世界は時間帯が反転していること。夜なのに昼みたいに明るいのは、納得いく。
そして、家の使われていない奥の部屋が現実のブランコと繋がっていること。
「でも今は、奥の部屋じゃなかったですよね?」
優斗さんの説明を聞いて、新しい疑問ができる。
「最初だからだと思う。詳しくは俺もわからないけど……」
◇◇◇
「あっ」
奥の部屋に入ってみると、本当にブランコに座っていた。
それからも、優斗さんの家に行くようになった。
「来たかったら、来れば」くらいに、優斗さんが軽い口調で言ってくれたから。
◇◇◇
「俺たちが出会って、一ヶ月といったところだけど、この世界どう思ってる?」
七月になり、本格的な夏が近づいてきた頃。
「楽しいですよ。この世界も優斗さんも、大好きなので」
私は素直な気持ちを述べる。
思わず大好きとか言ってしまったけど、変な人とかに思われないかなって不安になる。
でもアニメ通り、思いやりのある人だったから、そんなことが言えた。
それを聞いた優斗さんは、一瞬照れたような表情を見せたように見えたが、すぐに平然とした。
「それならいい。俺も陽菜のこと、嫌いじゃないから」
そんな曖昧な言い方しなくてもいいのに。
素直じゃないんだから。
でも、そんな優斗さんも好き。
尊敬とかの言葉のほうが、正しいかもしれない。
アニメを見終わった私は、何気なくつぶやいた。
もちろん、実在するわけではないことはわかってる。
だけど、今日は現実から逃げ出してみることにした。
そうして、私は夜にこっそり家を抜け出し、近くの公園に向かった。
「えっ、ここどこ!?」
ブランコに座ってたはず。
なのに、目の前には知らない景色が広がっていた。
いや、少しは知っているかもしれないこの光景を。
そして、夜のはずなのに、辺りは昼のように明るい。
「どうしよう」
見回すと、私が少し前まで見ていた人気バトルアニメの敵らしき人影が目に飛び込んできた。
「こっちだ。危ないから早く来い」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「えっ、優斗さん!?」
振り向くと思った通り、私の推しである優斗さんがいた。
やっぱり、ここは現実じゃないんだ。
今となって、やっと受け入れられる。
「しーっ。気づかれるだろ。いいから、ついてこい」
私の返事を待たずに歩き出す。
少し、早足でついていく。
しばらく住宅街を歩いていくと、優斗さんはひっそりと佇む一軒家の前で立ち止まった。
「えっと、ここは……」
「俺の家だ。話したいことがたくさんあるんだけど、長くなりそうだから家に上がっていけ」
私は、家に入るのを躊躇う。
初対面の人についていって、家に入るなんて普通ならやらない。やったら、よくないことだってこともわかってる。
でも、ここは現実ではない。
そして、目の前は推し本人。
「まず最初に聞くけど、おまえの名前は何?あと、ここの世界の人じゃないよな?」
結局、家に上がらせてもらった。
そして、優斗さんは単刀直入に聞いてくる。
「陽菜です。私自身もはっきりしないんですけど、ここの世界の人ではないと思います。優斗さんでいいんですよね?」
聞かれたことについてまとめて答え、一応、優斗さんについても確認しておく。
推しを間違えるはずないけど、まだ信じられない。
「優斗だ。俺のことを知ってたんだな」
「あっ、はい」
少し曖昧に答える。
さすがに、推しです、なんて言えない。
「それなら、これからここの世界について話すな」
まず、私の世界とこの世界、アニメ世界は時間帯が反転していること。夜なのに昼みたいに明るいのは、納得いく。
そして、家の使われていない奥の部屋が現実のブランコと繋がっていること。
「でも今は、奥の部屋じゃなかったですよね?」
優斗さんの説明を聞いて、新しい疑問ができる。
「最初だからだと思う。詳しくは俺もわからないけど……」
◇◇◇
「あっ」
奥の部屋に入ってみると、本当にブランコに座っていた。
それからも、優斗さんの家に行くようになった。
「来たかったら、来れば」くらいに、優斗さんが軽い口調で言ってくれたから。
◇◇◇
「俺たちが出会って、一ヶ月といったところだけど、この世界どう思ってる?」
七月になり、本格的な夏が近づいてきた頃。
「楽しいですよ。この世界も優斗さんも、大好きなので」
私は素直な気持ちを述べる。
思わず大好きとか言ってしまったけど、変な人とかに思われないかなって不安になる。
でもアニメ通り、思いやりのある人だったから、そんなことが言えた。
それを聞いた優斗さんは、一瞬照れたような表情を見せたように見えたが、すぐに平然とした。
「それならいい。俺も陽菜のこと、嫌いじゃないから」
そんな曖昧な言い方しなくてもいいのに。
素直じゃないんだから。
でも、そんな優斗さんも好き。
尊敬とかの言葉のほうが、正しいかもしれない。


