猫先輩と俺


「なんっ……え、は?」

何でまた戻ってきてんの?


「先輩に向かって“は?”はねーだろ」
「あ、いや……びっくりして。ごめんなさい」
「冗談だからマジにならないで」

フッと笑った御影先輩。
その柔らかい表情のまま、先輩は俺を見る。


「何で途中でやめたの?引けばよかったのに」
「そうなんですけど……」

ほんの少し言いたくない。
でも御影先輩のことだ、たぶん言うまで聞いてくるだろうな。


「また腕に当たるかもしれないって思うと怖くて」
「ちょっと待ってて」

そう言って御影先輩は巻藁部屋から出て行った。
出て行ったって言っても、5分もしない内にすぐに戻ってきた。サポーターを持って。


「これ貸してやるからやってみな」
「え。ありがとうございます」

御影先輩のサポーターを腕に付け、その上から優しく触るけど……うん。痛くない。