猫先輩と俺


てか、まだ御影先輩俺のこと見てるよな?
なになになに!?何か用?

そっち向けないんですけど!


「む、村センに聞いて弓探してみます」

急いで蛇口を止め、俺は御影先輩から逃げるように走った。
濡れた腕なんか気にならないくらいには動揺してたんだと思う。

村センに指摘されるまで全然気付かなかったんだから。


.

「射場に行く前に巻藁で練習しろよ」
「はい」

村センにそう言われ、巻藁部屋に向かう。
まさかとは思ったが、御影先輩の姿がないことに安心した。

流石にいねーか。


巻藁矢を1本取り、弓を引く。
弓の重さに、今までがどれだけ軽かったのかがわかる。結構力入れないと弦を引っ張れない。

「……」

巻藁に狙いを定めたところで俺は引く力をゆっくり弱め、矢を下ろした。


「何でやめたの?」

突然背後から聞こえてきた言葉に驚いた俺は、勢いよく振り向いた。