猫先輩と俺


「藤原が身体張ったおかげで腕に当たる理由わかったよ」
「え!本当ですか!?」
「うん。ほら手」

蛇口を捻ってくれた御影先輩に従うように、流れる水に向かって腕を出す。

冷たっ……いけど気持ちいい。


弓返(ゆがえ)りが原因だと思う」
「あ……それ、俺も最近気になってたんです」

何でかここ最近弓返りをしなくなった。
握りすぎたらダメだって聞いたからそんなに握ってないのに……。


「今何キロ使ってる?」
「え?」
「多分ずっとそれ使ってるよね?重さ変えてみたら?」
「……」


びっくりして言葉が出てこなかった。
何で俺が弓の重さ変えてないの知ってんの?

まともに話すの今日が初めてなのに。俺のこと見てたってこと?


チラリと御影先輩の方を見ると、俺の視線に気付いたのか思いっきり目が合った。


「痛い?」
「え?あ……大丈夫です」

……。
なんか変な感じ。嬉しいような恥ずかしいような。
何だこれ。