猫先輩と俺


「藤原ぁー。さっきから全然動いてないぞ。そこで何してるんだ」

げ。村センじゃん。

「えと、みんなの形見てました」
「なら射場に行け。そんな遠くからだと見えんだろ」
「はい」

村センにバレたせいで、射場で見取り稽古。
言われた通りみんなを見ていくけど……視線は御影先輩の方に移動してしまう。


「弓の重さ変えた?」
「変えました」
「いつ?」
「つい最近です。たぶん、3日前くらいですかね」
「なるほどね……」

うーん、と顎に手を当てて考えている様子の御影先輩。

「もう一回引いて」

その言葉に、朝倉は再び弓を引き始める。
でもまだ矢は的に当たらない。

一通りの動作が終わると、御影先輩が口を開いた。

「弓、重い?」
「え?」
「弓を引くタイミングで右手が引っ張られてる」

そう説明しながらも、わかりやすく動作付きで教えてくれる御影先輩。

俺でも何を言ってるの理解出来るくらい。
朝倉は右の引きが弱いから力が入りきってないと言われている。