猫先輩と俺


「俺も練習しーよおっと」
「俺なんか昨日休みだったから鈍ってるかも」
「知らん」

青木と渡邉は練習をしに射場に向かうのに、俺はどうしても2人が気になって仕方がなかった。

いや、まあ俺が別の人に見てもらえとは言ったけど他にもいるじゃん?
何で御影先輩?


順番的に1番後ろにいる朝倉。
その背後で形を見ている御影先輩。

たぶん邪魔にならないようにそっちに行ったんだと思う。
よく見取(みと)り稽古で使われるやり方だ。

昨日と変わらず、斜面に向かって滑るように矢が刺さる。


「そんなんだと羽根がすぐにダメになるぞー」

朝倉の前で待っていた青木が、茶化すように声をかける。

「わかってるよ。だから御影先輩に見てもらってるんじゃん」

朝倉と青木のやり取りに御影先輩が笑う。

……なんか、楽しそう。