猫先輩と俺


巻藁用の矢を取ろうと手を伸ばしたところで、御影先輩に手を掴まれた。

「っ!?」
「矢、無しでやって。形を見る」
「あ、はい」

びっくりした。
やっぱ先輩何考えてるのかわかんねぇ。
一瞬、手を握られたかと思ったじゃん。焦った。


胴造(どうづく)りから全て先輩に見てもらう。
何も言わずに無言でただ俺を見る先輩。

「離れまでやってみて」

言われた通りに持っていたツルを離す。

と、

「いってぇ」

バンッと、俺の腕を弾くツルに思わず声が漏れた。


「大丈夫?」
「もう無理です。痛すぎます」

半べそ状態の俺の腕は、ジンジンを通り越して感覚がなくなりそうだ。

「血出ます」
「それは大変だね」

ふは。と、笑う御影先輩。
絶対バカにしてる。

「本当に痛いんですよ?」
「うん」

うんって……。