「御影先輩」
「ん?」
「あの日、俺の姿がなくて」
言葉にすればドキドキと鼓動が早くなる。
でも聞きたい。
「俺のこと……探しました?」
探したって言ってほしい。
御影先輩が口を開いたら瞬間、ホームに電車が到着する音が鳴り響いた。
「やべ。行かないと」
慌てて改札口に向かう御影先輩。
一度だけ振り返って、俺に「じゃーね」と言って行ってしまった。
いつも肝心なところで本音が聞けない。
「……」
でも、あの流れはそう思っても良いよな?
俺のカバンに付いているシマエナガが、肯定するようにこちらを向いていた。


