猫先輩と俺


御影先輩のカバンに付けているシマエナガがコロンとこちらを向いた。

「可愛い」
「ん?あぁこれ?」
「ちゃんと可愛がってくださいね」

俺が冗談半分で笑いながらそう伝えると、御影先輩はそのキーホルダーを指先で撫でた。

「もう腕は治ったか?藤原」

名前を呼んでいるけど俺には言ってない。
目線はカバンに付いているシマエナガ。

これ絶対バカにした!


自分のカバンに付いているシマエナガを、俺は何度も指で突く。

「もう成長期は済んだからこれ以上寝ても大きくならないですよ、御影先輩」

咄嗟に出た言葉。
別に身長が低いって訳でもないし、何なら俺より高い。

ただ仕返ししてやろうと思っただけなのに。


「そう言えば何であの時いなくなってたの?」

なんて言うからびっくりした。

心当たりがあるのは準備室のこと。


「幼なじみが起こしにくるかなって」

もしかして……俺のこと、探した?

聞きたい。
あの時の御影先輩の行動。
起きてすぐ……俺を探したの?