猫先輩と俺


「ぅわっ!」

びっくりしたのと声を出したのはほぼ同時。

御影先輩がゆっくりソファから起き上がった。


「びっくりした」

と、言いつつもゆるりとした口調からは1ミリも驚いたようには見えない。

俺の心臓は、ドッドッドッとありえないくらい早く動いていると言うのに。


「心臓止まるかと思いました」

フッと笑う御影先輩。

「血が出るとか、心臓止まるとか。忙しいね」
「……」

クスクスと笑う御影先輩がいつもより大人っぽく見える。

何でだろうか。
今日の先輩、雰囲気が違う……?
髪結んでないせい?
それとも優しい声色だからか?


「御影先輩」
「ん?」

その『ん?』だって色っぽい……って言ったら変人だろうか。

「こんな所で何してるんですか?」
「昼寝」
「……え?」
「ここ俺の昼寝場所」

そう言って御影先輩は再びソファに寝転がった。