猫先輩と俺


俺は再び弓を引いた。
若干恐怖心はあったけど、サポーターがあるから大丈夫。そう自分自身に言い聞かせて、巻藁に向かって矢を放った。

ザンッと音を立てて矢が巻藁に刺さる。


「やった!御影先輩できました!!」
「ん。上出来」

ゆるりとした口調に、パチパチと手を叩く御影先輩。

「御影先輩のおかげです!」


やばい。めっちゃ嬉しい。
顔がニヤける。スランプ脱出じゃん。

深々と頭を下げる俺に御影先輩は笑い出した。


「大袈裟。でも良かったね、これでもう血が出る心配しなくてすむ」
「……」

一瞬何を言ってるのかわからなかった。

血が出るって、さっき俺が半べそかきながら訴えたやつだよな?
そう思うとだんだん恥ずかしくなってくる。


「ネタじゃないです!」

ムキになる俺に、御影先輩はまた笑い出したんだ。