無人島ライフ〜精霊たちと理想の島を開拓します〜

「さて、アオさん。昨日で島全般の片付けは終わりましたが、今日はどういたしましょう?」

三日かけて、島の基本的な片付けは全て終わった。

とはいえ、まだ島には食料すら、まともにない。

「今日は、野菜の種埋めかな。私とウンディーネで種を埋めるから、ドライアドは、木の苗を植えてもらえるかな?」

「わかりました」

そして、みんなで持ち場につく。

「よし、種埋め終わったね。ウンディーネ、水やりお願いできるかな?」

「うん。任せて」

そう言ったウンディーネは、空に手をかざす。

すると、少しずつ空中に何かが出来上がっていき、それは最終的に雨雲となった。

雨が降り始め、土は潤っていく。

「ドライアド、苗植え順調に進んでるかな?」

屈んで苗植えをしているドライアドに声をかける。

「はい。もう少しで終わりそうですよ。ウンディーネ、水やりお願いできます?」

ドライアドは、一度手を止めて振り向く。

「えー。こっちでもやるの?疲れた」

ウンディーネが文句を言う。

「そんなこと言いませんよ、ウンディーネ。みんなで協力しないといけません」

「はーい」

ウンディーネは渋々、雨雲を作り始めた。

◇◇◇

「ドライアド、相談あるんだけどいいかな?」

木も野菜も程々に育ってきた頃。

私は、ドライアドに訊ねる。

今日は、ウンディーネの姿は見かけない。

「はい。なんでしょう?」

「そろそろ、この島にも本格的な家が欲しいと思い始めて、建築士さんを訪ねたいんだ。でも、この島何も移動手段ないから、島外に出れないから困ってて」

住宅街みたいにして、賑やかな島にしてみたいと思い始めた。

いずれは、住民や商業人も呼びたい。

今となっては、任務ということも忘れて、楽しんでいる。

それに、これで任務達成となるはずだから、一石二鳥だね。

「それなら、私の姉、シルフをお呼びしましょうか?お姉さまなら、風の力で空を飛んで移動させてくれます」

ドライアドに実の姉がいるとは、驚いた。

種類が違う精霊だけれど、木の精霊と風の精霊という組み合わせなら、不思議ではない。

「うん。呼んでほしいな」

◇◇◇

「おまたせしました。ドライアドの姉、風の精霊であるシルフです。アオさん」

ドライアドと瓜二のシルフが挨拶をした。

「シルフ、よろしくね。私を、近くの島まで連れて行ってもらってもいいかな?」

「もちろんです。では、失礼します」

風が吹き始め、私とシルフが手を繋ぐ。

すると、体が宙に浮く。

これが、シルフの力なんだね。

「では、出発します」

◇◇◇

トントン。カンカン。

近くの島に着くと、小気味よいリズミカルな音が聞こえてきた。

音を頼りに島内に入って行くと、ドワーフが建設中の現場にたどり着いた。

「おまえさん。何を見ておるのだ?」

魔法のように、次々と組み上がっていく風景を見ていると、ドワーフのほうから声をかけてくれた。

「私、旅人のアオというものなんです。離島から、やってきました」

ドワーフの姿は見たことはあるけれど、面と向かって話すのは初めてで、少し緊張する。

「旅人のアオ。わしに、何の用だ?」

「私の島に、家の建設をしてもらえませんかというお願いをしに来ました」

ドワーフはうーんと、深く考えている。

こんな、見ず知らずの人にお願いされて、迷惑なんだろうね。

「わかった。けど、こっちの仕事が立ち込んでてな。明日以降、そっちの島を訪ねるから少し待ってれ」

「いいんですか?ありがとうございます」

無事に交渉が成立した。

◇◇◇

「アオ。家の場所はどんな感じにするんだい?」

翌日。

ドワーフの建築士、ビルドさんが約束通り来てくれた。

「えっと、あのテントがある場所辺りに一棟と、中央付近に二棟並べる感じで三棟お願いします」

「わかった」

そう言って、ビルドさんは敏速な動きで準備を始めた。

完成したら、夢のマイホームに住める。

残りの二棟は、移住者が来た時に使おうと考えている。

 ◇◇◇

「アオさん。訪問者です」

私が、完成して日が浅いマイホームでゆっくりしていると、シルフがやってきた。

「訪問者?」

「はい。こちらです」

シルフに案内されるまま、海辺にいくと、剣士のような男性と、女性のエルフがいた。

「あの、どちら様でしょうか?何かご用ですか?」

「レオンだ。この島のことを風の噂で聞いたから、移住したいと考えてる」

「アザミよ。私も同じことを考えてるけどよろしいかしら?」

男性剣士レオンに続いて、女性エルフのアザミがここに来た理由を述べた。

「わかりました。食事、住居は賄えます。でも、一つだけ約束があります。ここの開拓に力を貸してほしいということです。いかがでしょうか?」

移住者が望むことは、夢だったためその点については問題ない。というか、大歓迎だ。

だけど、開拓はまだ完全とはいえないから、人手が欲しい。

「わかった。俺の力に任せろ」

「わかりましたよ。ご協力させてもらうわ」