「しょーもなっ!」って言われそうな理由で部活を辞めたい俺達の話。

 詰んでる。
 俺、絶対、詰んでる。
 だってそうじゃないか? なにも知らなかったとはいえ、あんなことやこんなこと、全部残らずお互い話しちゃったんだから。
「中谷」
 教室で見せるのとは全然違う、硬い表情でこちらを睨みつけてくる南くんの顔は相変わらず整っている。困惑しているだろうその顔を見てさえ、俺は思ってしまう。
 やっぱりめっちゃかっこいいなあ、なんて。
 ……もちろん、今はそんなことを考えている場合じゃないんだけれど。
「中谷があひるんだったなんて、思わなかった」
 すごく苦しそうな顔だ。秘密を知られたのが俺みたいなやつだったことが、心底嫌だと言いたげなその顔を見て、俺はほんのりと傷つく。
 でも、もう、戻れない。お互いの正体を知らなかったころには、もう。
 南涼太(みなみりょうた)。ただ、遠くから見つめるだけだった人。その人とこんな微妙な空気になってしまったのは……俺が何の気なしにSNSへと投下したとある投稿のせいだった。