転生した悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!〜二つの王冠の子〜

「……気持ち悪くない……!」

ある日突然始まった悪阻は、予告もなく終わりを告げた。

マジで良かった……!
数日後に控えた祝賀の場、洗面器抱えて出席も覚悟してたんだからね!?

少し胃のむかつきは残るけど、もう吐くほどじゃない。
普通に食事が摂れるって……なんて素晴らしいことなんだろう。

「お食事が摂れるようになって、本当に良かったです」
「お腹の赤ちゃんのために、二人分ご用意しますね」

……二人分!?
この世界に体重管理なんて概念は無いらしい。
食べ過ぎて妊娠糖尿病や高血圧症候群になったら大変なのに……
採血も採尿もなし、完全に自己管理オンリーとか、難易度高すぎる。

妊娠を理由に公務や練習は免除されたけれど、やっと悪阻を乗り越えたと思ったら今度は自己管理との戦い。
私の転生生活、ほんとハードモード過ぎる。

「せめて、もう少し元気かどうかわかる何かがあればなぁ……」

……ポコッ。

「動いた!?今の……赤ちゃん、元気って教えてくれたの!?」

最初は腸の動きかと思った。
けれど、間違いなく内側から小さな命が合図を送ってきていた。

初めての胎動に胸が熱くなり、ようやく『母になる』実感が全身に広がっていった。