「本日はタルトを半分ほどと、果物を数切れ召し上がった程度でございます」
「……そうか。報告ありがとう」
セシルが帝国へと出立して数日。
侍女からの報告で、リエルの食事量が目に見えて減っていることを知らされた。
共に食卓を囲む時はそこまで極端な減少はないが、一人きりの時にはほとんど口をつけず、侍女が必死に懇願してようやく数口。
読書の合間に必ず摘んでいたはずの菓子皿も、今はほぼ手つかずのまま残っている。
さらに夜。彼女は何度も泣きながら目を覚まして様子もある。
聖夜祭の時にも一度大きく落ち込んだことはあったが、あの時は数時間で立ち直った。
それが今は、数日どころか一週間近くも尾を引いている。
数回顔を合わせただけのセシルのために……。
まさか、リエルにここまで脆い一面があったとは思いもしなかった。
どうしたものか……無理やり食事を摂らせても解決にはならない。
もしこの状態が続くようであれば宮廷医を呼ぶべきか。
ただ、后妃にリエルの精神的な弱さを知られれば、あらぬ憶測を生む可能性もある。
医者を呼ぶという、それだけのことに余計な思慮を巡らせねばならないとは……
王太子とは名ばかり、己の無力さが情けなく思える。
「……そうか。報告ありがとう」
セシルが帝国へと出立して数日。
侍女からの報告で、リエルの食事量が目に見えて減っていることを知らされた。
共に食卓を囲む時はそこまで極端な減少はないが、一人きりの時にはほとんど口をつけず、侍女が必死に懇願してようやく数口。
読書の合間に必ず摘んでいたはずの菓子皿も、今はほぼ手つかずのまま残っている。
さらに夜。彼女は何度も泣きながら目を覚まして様子もある。
聖夜祭の時にも一度大きく落ち込んだことはあったが、あの時は数時間で立ち直った。
それが今は、数日どころか一週間近くも尾を引いている。
数回顔を合わせただけのセシルのために……。
まさか、リエルにここまで脆い一面があったとは思いもしなかった。
どうしたものか……無理やり食事を摂らせても解決にはならない。
もしこの状態が続くようであれば宮廷医を呼ぶべきか。
ただ、后妃にリエルの精神的な弱さを知られれば、あらぬ憶測を生む可能性もある。
医者を呼ぶという、それだけのことに余計な思慮を巡らせねばならないとは……
王太子とは名ばかり、己の無力さが情けなく思える。



