「疲れただろう。着替えて休むといい」
「え!?いいの!?」
「今日から一週間、お互い執務も公務もすべて休みだからね」
そんなご褒美が!?
そうだ、同僚も結婚した時に特別休暇をもらって新婚旅行に行ってたっけ……!
縁が無さすぎて完全に忘れてた!
侍女にドレスを脱がせてもらい、ようやく楽なネグリジェに着替えて部屋に戻る。
そこでは、ソファで優雅にコーヒーを飲むエドが待っていたけれど、それを完全にスルーしてベッドにダイブする。
枕元に置かれたストールを抱きしめながら、これからの一週間をどう過ごそうかと考えていると、エドがゆっくりと近づいてきた。
「……みな、下がってくれるかな」
その一言で、侍女たちは静かに退室していく。
たくさんのクッションに埋もれる私を、エドが後ろから抱きすくめた。
髪、耳、首筋、肩……次々に彼の唇が触れていく。
「っ!……コラコラコラ……まだ昼間だぞ……」
首元に落ちる熱に、耳に吹きかけられる吐息に、全身が痺れる。
「んっ……!休むといいって……エドが言ったんじゃないか……」
「ダメかな?」
ダメに決まってる……と言いたいのに、振り向いた瞬間に唇を塞がれ、言葉が溶けていく。
思わずその首に手を回し、抗うどころか身を委ねてしまう。
カーテンの隙間から差し込む優しい陽の光だけが照らす薄暗い部屋。
力が抜けていく感覚に抗えず……エドにすべてを預けてしまった。
「ずっとこの庭園を歩いてみたかったの!」
数えきれないほど歩いてきたはずの庭園。
けれど、陽光に照らされたリエルの横顔は花々よりも眩しく、今までのどの景色とも違って見えた。
何度ここで、彼女と手を繋ぎ歩く未来を夢見ただろう。
中央の噴水には虹がかかり、風に舞う花びらがリエルの髪にひらりと落ちる。
「気に入ったなら、昼食はここで摂ろうか?」
「そんなことできるの!?」
「あそこのガゼボに準備させよう」
頬を撫でる風に目を細め、陽の光を反射して靡く髪。
その一つ一つが愛おしく、目を離せない。
「本当に……キレイ!」
初めてこの庭園で出会った日のリエルを思い出す。
あの時こそが最も美しい光景だと思っていたのに、今日の彼女が軽々と記憶を塗り替えていく。
小さな屋根の下、白布を掛けたテーブルには彩り豊かな料理が並んでいた。
新鮮なサラダ、焼きたてのパン、香り高いスープ。
ケーキスタンドには果物やタルトが宝石のように盛りつけられている。
「どれから食べようかな……」
迷うように伸ばされた細い指先。
その薬指に光る揃いの指輪を見た瞬間、思わず手を取ってしまいたくなる衝動が湧いた。
どれを口にしても、美味しそうに笑うリエルと一緒に食べる食事は、本当に楽しい。
『結婚したらさ。なるべく食事は一緒に摂ろうよ』
彼女の申し出は、願ってもない言葉だった。
普段の食事は公務の合間に胃へ流し込むだけ。そこに意味を見出したことなどなかった。
きっと、リエルがいなかったからだ。
「私ばっかり見てないで、ちゃんと食べなって」
たしなめられ、思わず彼女の手を掴み、食べかけのタルトをそのまま口に運ぶ。
そして甘さを含んだ指先を、唇でそっとなぞった。
「……ちょっ……」
「甘いな」
頬を染めるリエルの瞳。
どんな果実よりも美味しそうな唇に引き寄せられ、自然に重ねてしまう。
絡めた腕はいつの間にか指を絡ませ、味わうように、舐めるように、何度も唇を重ねていた。
「え!?いいの!?」
「今日から一週間、お互い執務も公務もすべて休みだからね」
そんなご褒美が!?
そうだ、同僚も結婚した時に特別休暇をもらって新婚旅行に行ってたっけ……!
縁が無さすぎて完全に忘れてた!
侍女にドレスを脱がせてもらい、ようやく楽なネグリジェに着替えて部屋に戻る。
そこでは、ソファで優雅にコーヒーを飲むエドが待っていたけれど、それを完全にスルーしてベッドにダイブする。
枕元に置かれたストールを抱きしめながら、これからの一週間をどう過ごそうかと考えていると、エドがゆっくりと近づいてきた。
「……みな、下がってくれるかな」
その一言で、侍女たちは静かに退室していく。
たくさんのクッションに埋もれる私を、エドが後ろから抱きすくめた。
髪、耳、首筋、肩……次々に彼の唇が触れていく。
「っ!……コラコラコラ……まだ昼間だぞ……」
首元に落ちる熱に、耳に吹きかけられる吐息に、全身が痺れる。
「んっ……!休むといいって……エドが言ったんじゃないか……」
「ダメかな?」
ダメに決まってる……と言いたいのに、振り向いた瞬間に唇を塞がれ、言葉が溶けていく。
思わずその首に手を回し、抗うどころか身を委ねてしまう。
カーテンの隙間から差し込む優しい陽の光だけが照らす薄暗い部屋。
力が抜けていく感覚に抗えず……エドにすべてを預けてしまった。
「ずっとこの庭園を歩いてみたかったの!」
数えきれないほど歩いてきたはずの庭園。
けれど、陽光に照らされたリエルの横顔は花々よりも眩しく、今までのどの景色とも違って見えた。
何度ここで、彼女と手を繋ぎ歩く未来を夢見ただろう。
中央の噴水には虹がかかり、風に舞う花びらがリエルの髪にひらりと落ちる。
「気に入ったなら、昼食はここで摂ろうか?」
「そんなことできるの!?」
「あそこのガゼボに準備させよう」
頬を撫でる風に目を細め、陽の光を反射して靡く髪。
その一つ一つが愛おしく、目を離せない。
「本当に……キレイ!」
初めてこの庭園で出会った日のリエルを思い出す。
あの時こそが最も美しい光景だと思っていたのに、今日の彼女が軽々と記憶を塗り替えていく。
小さな屋根の下、白布を掛けたテーブルには彩り豊かな料理が並んでいた。
新鮮なサラダ、焼きたてのパン、香り高いスープ。
ケーキスタンドには果物やタルトが宝石のように盛りつけられている。
「どれから食べようかな……」
迷うように伸ばされた細い指先。
その薬指に光る揃いの指輪を見た瞬間、思わず手を取ってしまいたくなる衝動が湧いた。
どれを口にしても、美味しそうに笑うリエルと一緒に食べる食事は、本当に楽しい。
『結婚したらさ。なるべく食事は一緒に摂ろうよ』
彼女の申し出は、願ってもない言葉だった。
普段の食事は公務の合間に胃へ流し込むだけ。そこに意味を見出したことなどなかった。
きっと、リエルがいなかったからだ。
「私ばっかり見てないで、ちゃんと食べなって」
たしなめられ、思わず彼女の手を掴み、食べかけのタルトをそのまま口に運ぶ。
そして甘さを含んだ指先を、唇でそっとなぞった。
「……ちょっ……」
「甘いな」
頬を染めるリエルの瞳。
どんな果実よりも美味しそうな唇に引き寄せられ、自然に重ねてしまう。
絡めた腕はいつの間にか指を絡ませ、味わうように、舐めるように、何度も唇を重ねていた。



