転生した悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!〜二つの王冠の子〜

侍従の手で正装を整えられ、襟を正し、腰帯を締める。
鏡越しに自分を見据える間、言葉は一切なく、ただ最小限の動作だけが続いた。

……リエルは大丈夫だろうか。
昨晩、無理をさせてしまったのではないかと、そればかりが気にかかる。

初めて夜を共にした姿を思い出すだけで、愛しさが胸を満たし、溢れて止まらなくなる。
準備が整ったら、すぐにでも彼女のもとに戻りたい。
きっと今日の彼女も美しいに違いない……そう思うだけで、逸る気持ちが抑えられない。

会った瞬間、抱きしめたい衝動を我慢できる自信はない。

迷った末、逸る心を隠すように深く息を吐き、立ち上がった。
彼女はきっと口を尖らせながらも、この手を握り返してくれるだろう。
そんな確信を胸に、足早にリエルの部屋へと向かう。