転生した悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!〜二つの王冠の子〜

廊下に出て、最初の角を曲がった瞬間。
緊張の糸が切れたのか、汗が噴き出すように流れ、足が震え、膝をついてしまう。

なんっじゃありゃ!!!!
医者をやっていた時、やっかいな患者もいたし、表に出せないような患者も診たことはある。
でも、あんな人間……全然違う!怖さの質が桁違いだ!!

「リエル!!!」

聞き慣れた声。顔を上げると、駆け寄ってくるエドの姿。

「……エド?」
「何を考えてるんだ!!!」
「……っ、ごめん」
「リエルに何かあったらと思ったら……っ!」

力いっぱい抱きしめられる。
彼の温もりと匂いに包まれ、やっと息ができた気がした。
バクバクと暴れる心臓が少し落ち着きを取り戻す。
けれど、その腕の中で震えていたのは、むしろエドの方だった。
思わず背中に手を伸ばし、抱き締め返すと、そっと背中を撫でた。