「お嬢様、殿下がお越しです」
「えっ!?なんで今!?」
さっき王宮に戻ったから、もう安心してネグリジェに着替えちゃったのに。
まぁ、エドならいいか。
「しばらく二人きりにさせてもらえるかな」
そう言って人払いをし、ソファに腰を下ろす。
隣に座ったエドは、どこか言い出しづらそうに視線を伏せていた。
きっと、帝国の件だ。
「リエル……良い知らせと悪い知らせ、どちらを先に聞きたい?」
はぁぁ!?
「やめろやめろ!それドラマでしか聞かないやつ!!どうせ両方ろくな知らせじゃないだろ!!」
もったいぶった挙句に何を言い出すんだ、この男。
どこの海外ドラマだよ!!勘弁してくれ……!
「では、よい知らせから……」
「聞きたくない聞きたくない聞きたくなぁぁい!!」
思わず耳を塞ぎながら声を上げる。
「俺とリエルの結婚式が早まった」
「あぁぁぁぁあああああああああああああああ!!」
「悪い知らせは、セシルの婚約が決まるかもしれない」
「あぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!」
……ん?
「それさ、良い知らせと悪い知らせ、逆じゃない?」
手を下ろし、エドに向き直る。
彼は困ったように眉を寄せ、それでも真剣な瞳で私の手を取ると、次の瞬間、わざわざ椅子から降りて跪いた。
「セシルの婚姻はただの婚姻ではない。相手は……帝国の皇女の可能性がある」
「……!」
帝国……。
セシルの結婚が政治利用されるってこと!?
まだ十二歳の子なのに。私を姉上と呼んでくれたあの幼い笑顔が、脳裏に浮かぶ。
「俺は……セシルには幸せになってほしい」
その言葉に胸が締め付けられる。
私だって同じ気持ちだ。
セシルだって王太子だから、好きな人と結婚できない可能性はもちろん、政略結婚の可能性は理解しているだろうけど、よりによって帝国なんて……。
「わかった。私は何をすればいい?」
「それは……」
言い淀むエドに、逆に問いを投げる。
「結婚を早めれば……セシルを助けられるの?」
「……結果的には、そうなる」
エドはあの時、婚約式で交わした約束を守ろうとしてくれているのか。
『リエル!すまない、ずっと騙すような真似を……』
『二度としない。約束しよう……』
彼の声は必死で、こちらも胸が痛む。
結婚を早めるというのは、きっと並大抵のことじゃない。
『結果的に』という言い方の裏に、不確定な要素があることも察してしまう。
「……で、いつになるの?」
「……四月一日だ」
……は?
「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!残り三カ月切ってんじゃん!!!」
私の叫びが虚しく屋敷に響き渡るだけ、報告された時点で決定事項なのは目に見えていた……
「えっ!?なんで今!?」
さっき王宮に戻ったから、もう安心してネグリジェに着替えちゃったのに。
まぁ、エドならいいか。
「しばらく二人きりにさせてもらえるかな」
そう言って人払いをし、ソファに腰を下ろす。
隣に座ったエドは、どこか言い出しづらそうに視線を伏せていた。
きっと、帝国の件だ。
「リエル……良い知らせと悪い知らせ、どちらを先に聞きたい?」
はぁぁ!?
「やめろやめろ!それドラマでしか聞かないやつ!!どうせ両方ろくな知らせじゃないだろ!!」
もったいぶった挙句に何を言い出すんだ、この男。
どこの海外ドラマだよ!!勘弁してくれ……!
「では、よい知らせから……」
「聞きたくない聞きたくない聞きたくなぁぁい!!」
思わず耳を塞ぎながら声を上げる。
「俺とリエルの結婚式が早まった」
「あぁぁぁぁあああああああああああああああ!!」
「悪い知らせは、セシルの婚約が決まるかもしれない」
「あぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!」
……ん?
「それさ、良い知らせと悪い知らせ、逆じゃない?」
手を下ろし、エドに向き直る。
彼は困ったように眉を寄せ、それでも真剣な瞳で私の手を取ると、次の瞬間、わざわざ椅子から降りて跪いた。
「セシルの婚姻はただの婚姻ではない。相手は……帝国の皇女の可能性がある」
「……!」
帝国……。
セシルの結婚が政治利用されるってこと!?
まだ十二歳の子なのに。私を姉上と呼んでくれたあの幼い笑顔が、脳裏に浮かぶ。
「俺は……セシルには幸せになってほしい」
その言葉に胸が締め付けられる。
私だって同じ気持ちだ。
セシルだって王太子だから、好きな人と結婚できない可能性はもちろん、政略結婚の可能性は理解しているだろうけど、よりによって帝国なんて……。
「わかった。私は何をすればいい?」
「それは……」
言い淀むエドに、逆に問いを投げる。
「結婚を早めれば……セシルを助けられるの?」
「……結果的には、そうなる」
エドはあの時、婚約式で交わした約束を守ろうとしてくれているのか。
『リエル!すまない、ずっと騙すような真似を……』
『二度としない。約束しよう……』
彼の声は必死で、こちらも胸が痛む。
結婚を早めるというのは、きっと並大抵のことじゃない。
『結果的に』という言い方の裏に、不確定な要素があることも察してしまう。
「……で、いつになるの?」
「……四月一日だ」
……は?
「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!残り三カ月切ってんじゃん!!!」
私の叫びが虚しく屋敷に響き渡るだけ、報告された時点で決定事項なのは目に見えていた……



