史人さん、俺達って本当に”友達”ですか?

 約束の朝十時。大時計の前に史人さんはすでにいた。腰掛ける目的で備え付けられている棒状のベンチ(ピコリーノっていうらしい)に腰を引っ掛けるようにしてもたれ、スマホをいじっている。その姿を俺はちょっと離れた位置から観察する。
 再会する前の史人さんの私服は、ぱりっとしたカッターシャツにチノパン、色はパステルかベージュ、ライトグレーといったシンプルなものだったはずだ。けど、高校生になった史人さんのファッションはその真逆。
 金茶の髪に黒パーカー、黒のバルーンパンツ。
 派手で……尖っていて、ちょっとだけ凶暴で……かっこいい。
「あ、おはよ、千冬。なにそんな離れたとこにいんの」
 俺に気付いた史人さんが顔を上げる。スマホを触っていたときは無表情だったのに、突然、温度のある顔になる。そろそろと近づく俺の目に映ったのは、史人さんが着たTシャツの柄。
「それなに? 花?」
「え? あ、これ? うん。花。エリンジウム」
 白い地のTシャツの胸にでかでかと描かれていたのは、青白い小花の集合体だった。それを棘に似た形の葉が守るみたいに取り囲んでいる。あんまり見たことがない花だ。その謎の花をぽん、と史人さんは軽く掌で叩いた。
「なんで、その花?」
「好きなの。特に花言葉がいい。知ってる? エリンジウムの花言葉」
「……知らない」
 また役に立たない豆知識がくるな。やれやれと呆れながらも俺の口許は綻んでいる。知ったところで使えないし、馬鹿みたいだなって思う話も多いけど、この人が教えてくれる情報は暖かくて嫌いじゃない。
 もたれていたピコリーノから身を起こしながら、史人さんはスマホカバーをぱたんと閉じる。そうして、ポケットにぐいとスマホを押し込んで、こちらを流し見た。
「秘めた愛」
 行こっか、と歩き出す。その背中について歩きながら思う。
 なんでその花言葉、好きなんだろうって。
 訊いてみたい。でも訊いていいのかな。というか……訊くのが少し怖い。
 その花言葉が彼女に繋がっちゃう気がして。
 って、俺には全然、関係ないはずなのに、なんでそんなこと思っちゃったんだろう。
「なにやってんの、行くよ、千冬」
「あ、うん、今」
 慌てて追いかける俺に、史人さんがふっと笑う。その笑顔に胸がことり、と鳴いた。鼓動を押し隠し、俺は笑顔を作る。
「どこ行くの? 秘密ってなんで?」
「質問多いなあ。辿り着いたときのお楽しみってほうがわくわくしない?」
 言いつつ、史人さんが向かったのはバス停だった。ほどなくしてロータリーに赤と白にペイントされた市バスが滑り込んでくる。
 行き先表示は、「岬美術館前」。
「え、もしかして……」
「お、わかった?」
 ぷしゅーっと音を立ててバスの乗り口が開く。タラップを上がりながら史人さんが肩越しに振り返った。
「千冬が教えてくれた場所」
 ……数日前のことだった。
 その日、バイトの休憩時間に事務所に入ると、史人さんとバイト仲間の木村さんが向かい合わせに座って頭を寄せ合っていた。
「なにしてるんですか」
 思わず声をかけると、ぱっと木村さんが顔を上げた。
「あ! 芹那くん! 見て見て! 四宮くんの絵!」
「絵?」
 ふたりの間に広げられていたのはノートで、そこには鉛筆でクジラが描かれていた。頭にコック帽をかぶり、胸びれでお盆を持っている。ここのファミレスのマスコットキャラ、ハピロンくんだ。ちなみに、なんでクジラなのかは誰も知らない。
 唇の曲げ方がシニカルであんまり可愛いと思えない顔をしている。その可愛くなさまで忠実に再現されたハピロンくんが紙の中にいた。
「うまっ」
「そう? 先輩にも描いてあげようか」
 シャーペンをくるっと指先で回しながら、史人さんが微笑みかけてくる。
「こんな特技あったんだ……」
「ちょっとちょっと、まるで俺がなんにもできない子みたいに言わないで」
「違っ」
 そんな意味じゃない。むしろなんでもできて目障りなくらいだ。
「他にも描けるの?」
 ちょっと興味が出て史人さんの隣の席に腰を下ろすと、もちろん、と笑われた。
「なに描く?」
「じゃあ、シドニー・オペラハウス」
「しど、え、なんだって?」
 いつもすっと涼しく横引きされている目が丸くなる。バイトの仕事以外で俺がこの人になにかを教えてあげることなんてないから、そのことにもわくわくして、俺はスマホを操作する。
 海の突端。船の帆か、あるいは猫の耳か、見る者によって別のものをイメージさせる三角が折り重なった屋根が印象的な、世界にひとつの建物。
 晴れた空の下に堂々と建つそれの画像を、史人さんの顔の前に突き出す。
「オーストラリアにある劇場。俺達が生まれるずっと前にできたっていうけど、めっちゃ美しいと思わない?」
「美しい」
 俺の言葉がぽつんと繰り返される。そうされて慌てた。
 しまった、変な言い方をしてしまった。事実、木村さんは吹き出しそうな顔をしている。
「芹那くんてこういうの好きなんだね~。もしかして建築オタ?」
「あー、いや、そこまででは。なんとなく好きってレベルで……」
「へええ」
 木村さんがわざとらしく声を上げる。ああ、この人、史人さんのこと気に入ってるっぽいもんなあ、俺が入ってきたのも嫌だったのかも、なんて考えているうちに、恥ずかしくなってきた。慌ててスマホを引っ込めようとした俺を声が止めた。
「待って。まだ仕舞わないで」
 史人さんの目は俺がかざした画面を食い入るように見ていた。さらさらっとシャーペンを持った手が動く。見守っている俺と木村さんの目の前でスマホの中にあった劇場がノートの中へと落とし込まれていく。
 重なり合った屋根の曲線が躍動感を持って目の前に広がる。
 この人、やっぱり絵、超絶上手い。
「うーん、難しいな。けど……うん。すっごく美しいって俺も思う」
 しゃっしゃっとペンが動く音。その音に重なるように深い声が言う。
「世界遺産とかそういうの? これ」
「あ、うん、世界文化遺産になってる」
「そうなんだ。オーストラリアじゃ遠いな。日本だとこういうダイナミックな建築物、なかなか見られないからなあ」
「うん……あ! でも、岬美術館は見てみるべきだって思う! 日本建築学会賞受賞してて、ホリ―スナップもMVで使ってるんだよ」
「え、ホリスナ? 俺、めっちゃ聴く」
 ノートに落とされていた視線が上げられる。こちらに向けられた目はきらきらしていた。
 ……自分が好きなものに興味を持ってもらえるのって、こんなにうれしいことだったんだ。
 あのときのわくわくするような感情。それを俺は今、バスに揺られながら思い出している。
 バスが揺れるたびに触れるのは史人さんの肩。なで肩だけど、そうして触れると、俺よりも骨格がしっかりしているのがわかる。その硬くて、でも温かい感触にどきどきしながら窓の外を見る。遠目で見てもわかるほど印象的な建物が見えてきた。
 岬美術館だ。
「おお~すげえ」
 バス停に到着すると同時に、隣で史人さんが歓声を上げた。
 岬美術館は地下一階、地上二階建ての建物で、山の中腹に建てられている。高低差を利用した構造になっていて入り口は二階。上から徐々に下っていく形で観覧できる。途中の一階には広場が設けられていて人工の池がある。この池に夕日が映りこむ様子が最高に映えるとかで、ロックバンドホリ―スナップがMVの撮影場所として使い、一躍有名になった。
 そのまま空へと駆けあがって行けそうなほど、傾斜がつけられた屋根、壁面を覆うガラスの壁面。構造上、一望はできなくて、バス停から見えたのは地上二階部分だけなのだけど、一部分だけでも迫力があって、俺も思わず嘆息する。
「やっぱ、きれい」
「千冬、ここ何回目?」
「え、あ、えと……三回目。でも! 何回見てもいいって思うから!」
 いけない。連れてきてもらって、常連みたいな発言するなんてよくない。
 慌てる俺を史人さんは無言で見下ろしてくる。
 ややあって落ちてきたのは……いつもの大きな掌だった。
「可愛いね。千冬は。やっぱ」
「かっ……」
 どこがだ? どこが可愛かったんだ? 顔か? でもこの人は俺の顔を可愛いとは思っていないはず。けど今、俺はなんにも可愛いことを言えていない。じゃあ、なに?
 ああでも、いつまでも黙っているわけにもいかない。
「な、中、見る?」
 おどおどしながら問うと、史人さんはにこっと笑って、ん、と頷いた。
「史人さんって絵、好きなの?」
 土曜日だし、そこそこ人はいる。でも美術館だからみんな話すときは小声だ。俺もそれに倣って囁き声で隣に立つ史人さんに尋ねると、史人さんは展示された抽象画を瞳に映しながら、いや、と首を振った。
「それほどでも。描くのは嫌いじゃないけど、別に特別絵を見るのが好きとかはないね」
「そうなんだ」
 意外だった。あれだけ描ける人だし、美術館にも足繫く通っていそうな気がしていた。
 絵を眺めながら史人さんがぼそぼそと言う。
「なんかさ、ほら、教科書の織田信長の顔に落書きとかってしたことない?」
「え……いや、俺はあんまり」
「おお、そうか。そういうとこは啓介と違うんだな。あいつは教科書に載ってる歴史上の人物全員にちょび髭描くのを使命だと思ってる節があったけど」
「……ふーん」
 兄ちゃんらしいけど、今、兄ちゃんと比べられるのはなんか嫌だ。一緒にいるのは俺なのに。
むっつりと返事した俺の不機嫌に史人さんは気付いていないのか、淡々と続ける。
「俺もまあ、落書きするほうだったの。ただね、それにもだんだん飽きてきてさ、手寂しいときに授業してる先生の顔、ノートに描くようになったんだよね。ちゃんと授業受けろって感じだけど」
 こんなお茶らけていて成績がいいなんて、ほんと神様ってやつは不公平がすぎる。内心神に抗議していたのだけど、続いて零された言葉に俺は硬直した。
「留年さえしなきゃいいって思っちゃってるからなあ。夢もないし。必死になれるもんもないし。ふふ、俺、終わってるよね」
 ……昔から少し、思っていたことはあった。
 この人はなんでもできるし、愛想だっていい。軽口がトレードマークで、イケメンで、バイト仲間にも、お客様の中にもこの人の恋人の座を狙っている女子が何人もいる。
 でもこの人は……時々、本当に時々、世界と自分の間に線を引く。
 たとえば、下駄箱で所在なげにスマホをいじっているとき。
 たとえば、バイトの休憩中、自分に熱心に話しかけてくる女の子の相手をしているとき。
 さっきもそうだ。大時計の前で佇んでいたあのときも透明な壁があるみたいだって思った。それくらい冷めたみたいな目をこの人はする。誰にも気付かれぬくらいひっそりと。
 いや、冷めた、というのとは少し違うだろうか。
 どちらかというと……寂しい、に近いかもしれない。
 なんでそんな顔をするのか俺にはわからない。俺が踏んでしまった地雷が原因かもしれない。だとしたら俺がなにをしてあげられるものでもないんだと思う。
 でも、こんなふうに、終わってる、なんて言う史人さんは見たくなかった。
 一度きゅっと拳を握る。史人さんはまだ絵を見ている。
「終わってないよ!」
 史人さんの目が絵からこちらへと戻ってくる。今、史人さんが見ていたのは、海の底みたいな真っ青な抽象画だ。その絵のせいなのか、淡い色彩の史人さんの目まで寒々しい蒼に染まってしまって見えて、俺は思わず史人さんの腕を掴む。
「夢とかないとだめなの? それだったら俺も別にないよ。建物オタなだけ。でもさ、きれいなものきれいって思ってるだけでもよくない? それ全部未来に繋げないといけないの? 役に立たないことはしちゃだめなの?」
 史人さんが呆気に取られた顔をしている。でも一度火が点いた俺は止まらない。
「大体! 俺、史人さんのことすごいって思ってるよ? バイト、俺より後に入ったくせに仕事めちゃくちゃできるし。ヤバい客の相手も平気でするし。この間だってひったくりに向かってくし……それに」
「ストップ」
 すっと史人さんの手が伸びて俺の口を覆う。む、と声を漏らす俺に、史人さんがちらっと視線で周囲を見るよう促す。見れば、フロアにいる観覧客がこちらを迷惑そうに眺めていた。
 俺としたことが、音量を間違えて詰め寄ってしまっていたらしい。
「ごめ、んなさい」
 首を縮め、周囲に頭を下げる。史人さんも俺の隣で同じ仕草をしている。その様子を見ていたら消えたくなってきた。
 俺、なにやってんだろう。
「あの、史人、さん、ごめんなさい。俺」
「行こっか」
 史人さんの手が伸びてくる。その手に腕を掴まれ、フロアを進む。まだ全部の絵を見終わってはいなかったけど、二階から一階へと下りた史人さんは、建物を出て広場へと向かった。
 この広場は三角形をしていて、その三角の中に円を組み合わせた幾何学模様に植えこみが作られている。そして、三角形の頂点にはホリスナがMVに使ったと言われている池がある。ただ、白いつるっとした大理石で囲まれたそこは、池というよりプールみたいだった。真上から落ちてきた白い光に眩しく水面を光らせていて、真夏だったら飛び込みたいって思う人もいるかもしれない。
「ここだっけ。ホリスナのロケ場所」
「あ、うん」
 のんびりとした声とともに、腕から手が放された。その穏やかな声音に俺はほっとする。大暴走しちゃったから呆れられたかもと思ったけど、この人はそれほど気にせずにいてくれているっぽい。
「綺麗。俺、MV見たけど、夕方より昼のほうが綺麗だね」
「あー、うん。俺もそう、思う」
 池の中、水しぶきと夕日で彩られた場所で演奏していたホリスナは確かにかっこよかったけど、昼間の今、乱す者もなく、太陽光にさらされて水面をただ光らせている池のほうが、吸い込まれそうで綺麗だった。
 けど……池のことばっかり考えているのもやっぱり違う気が、する。
「あの、史人さん、俺」
「ありがとね、千冬」
 俺の謝罪を掬い取るみたいに声が差し挟まれる。とっさに見上げると、史人さんも俺を見下ろしてきた。
「うれしかった。ちょっとびっくりもしたけど」
「大声出して俺、ハズいよね……」
「ハズくないよ」
 きっぱりと言って史人さんが目を細める。さらっと風が史人さんの前髪を乱す。揺れる金茶の髪の間から俺を見つめる目は潤んで見えた。
「うれしかった。千冬にあんなふうに言ってもらえて、すごく。ねえ」
 声がすっと潜められる。一度離れていた手が俺の肩をするっと包む。
 中学時代、なにかというと俺の肩に腕を回してきた史人さん。でも再会してからはそんなことはなかった。なのに、今、数年ぶりに肩を抱かれている。
 なんだろう、これ。なんで俺、こんなに動揺しちゃってるんだろう。
「俺、千冬のそばにいていい? これからも」
「は……え、あの、そばって、どういう」
「メッセ、やり取りしたりとか、今日みたいにこうやって出かけたりとか。だめ?」
 ……それ、どういう意味で言ってるの?
 弟として? バイト仲間として? それとも。
 そこまで考えて俺は口許を覆う。だって……気付いてしまったから。
 ……弟という関係も、バイト仲間という関係も、俺はどちらも望んでいないって。
 いや、もっと言うなら、史人さんに言われたいって思っちゃってる。
 ……好きだからそばにいたいって。
「千冬?」
「あ、えと、あの」
 史人さんは俺の肩を抱いたまま俺を見ている。まっすぐに俺だけを。その目を見たら怖くなった。
 確かに中学時代、好き、とは言われた。でもこの人は言ったのだ。本気にするなガキって。
 それが、すべてじゃないだろうか。
 そもそも、この人はただ、そばにいていい? と訊いてきただけ。そこに恋なんてあるはずがない。この人の俺への気持ちは弟としてのみ。それ以外あるわけないじゃないか。にもかかわらず、その弟から「弟として? それとも?」なんて確かめられたらこの人はどう思うだろう。
 そういうつもりじゃなかったのにウザっ、って却って距離置かれちゃわないか? 大体。
『実弥』
 この人には、彼女がいる。
 スマホの画面に繰り返し表示された名前が頭の中を過ぎる。
 そうだ。しっかりしろ俺。彼女がいる人が、恋愛の意味で俺と一緒にいたいなんて思うわけないじゃないか。
 だからここは余計なことを訊いちゃいけない場面だ。訊かずに頷く。それ一択。そうじゃないと。
 ……全部、なくしちゃう。
 こんなふうに一緒にいて、笑える時間も全部。それは……嫌だ。
 だって、俺、この人のこと……。
「いい、よ。時々なら」
 ……好きだ。
 胸の奥でわななくみたいに落ちてしまった声を必死に押し殺し、俺は横を向く。
 相変わらず史人さんの腕は俺の肩を包んだままだ。その温もりがじわじわと体に沁みてきてどうしていいかわからなくなる。ああ、振り払いたい。でもこのままでいたい。
 もう、どうしたらいいか、わからない。
「よかった」
 ややあって俺に与えられたのは、より強い温かさだった。
 包まれたままだった肩が、史人さんによって引き寄せられていた。
「ありがと、千冬。いっぱいメッセさせて」
「いっぱいは困る。俺、忙しいんだから」
 ああもう。俺はなにしてるんだろう。
 彼女持ちの人にこんなふうに言われて。しかも相手は俺を好きでもなんでもなくて。ただの遊び仲間としてしか思ってなくて。それがわかっているのに、離れたくないなんて。
 なんだか涙が出そうだ。けど、泣いたら面倒臭いって思われちゃうだろう。
「史人さん、俺、腹減った」
 だから年下っぽい顔をあえて作り、見上げてみる。
 可愛いとか、絶対俺は思われたくないし、可愛いなんて言われたくもない。でも。
「ほんと、千冬って可愛いね」
 この人には言われたい。言われてもいいって思ってしまう。
「可愛い言うなってば」
 不満そうな顔を作り、そっぽを向く。その俺の頬を史人さんの指が突く。
「ごめんて。そしたら飯食おう。食べられるとこ、この中にもあるっぽいけど、どうする? 外、行く?」
「外行く」
 美術館なんて静かなとこでこの人と並んでいたら、うまく顔作れなくていろいろばれちゃいそうだ。
 そう思う間にもどきどきする心音に慌てながら、俺はそうっと史人さんの腕から抜け出す。
「い、行こ」
「うん」
 こっちの気持ちも知らないで史人さんが笑う。
 その笑顔はやっぱり眩しくて、俺はまたちょっと泣きそうになって、慌てて顔を背けた。