心の芯にヒビが入って欠けてしまったあの日。
私はバレンタインの魔法もかかっていないのに、勇気を出してしまう。
少し指先の冷える夜。ベッドに座り、スマホを開く。過去のクラスLINEのトークから追加したものの、連絡することのなかった君のアカウント。一世一代の私の大勝負。トトト、と指のフリックに合わせて音が鳴る。
「私はバレンタイン、本命のつもりで渡してました。」
「ずっと前から。」
二通。送ってすぐ、見ていられなくてスマホを閉じて、ベッドに横たわる。昔は九時までには寝ていた君が、今は何時まで起きているのか、私は知らない。震えた指が、まるで心臓のようにドクドクと脈を打つ。真っ暗な画面には、私の顔。緊張しながらも、勝負を諦めた可愛くない表情。
数分後、そっとスマホを開く。そこには『既読』とついた画面。既読無視。返事がないという返事がいまだに忘れられない。
「好き」の一言も言えない私の終わり。彼女がいることを知って、それ以上踏み込む勇気もない。彼女のいる君が、返事をしない人でよかった。自分の見る目だけは確かだと知ることが出来たから。アカウントもトークもすぐには消さなかった。それは、ただの私のプライド。
関係を変えたかったわけじゃない。それでも、「君が好きだった」と思わせて、終わらせたい恋だった。卒業して、遠くへ行くらしい君。「今の彼女」とは言わないけど、君のヒロインと、どうかお幸せに。「私だったら良かったのに」なんて、もう思わせないで。
だって、私の役割は、ヒロインではなくて。私の居場所は、君の世界の舞台上でも袖でもない。
ショーケースの中に飾られていた、キラキラの小さな夢物語は、ここで終わり。
私はバレンタインの魔法もかかっていないのに、勇気を出してしまう。
少し指先の冷える夜。ベッドに座り、スマホを開く。過去のクラスLINEのトークから追加したものの、連絡することのなかった君のアカウント。一世一代の私の大勝負。トトト、と指のフリックに合わせて音が鳴る。
「私はバレンタイン、本命のつもりで渡してました。」
「ずっと前から。」
二通。送ってすぐ、見ていられなくてスマホを閉じて、ベッドに横たわる。昔は九時までには寝ていた君が、今は何時まで起きているのか、私は知らない。震えた指が、まるで心臓のようにドクドクと脈を打つ。真っ暗な画面には、私の顔。緊張しながらも、勝負を諦めた可愛くない表情。
数分後、そっとスマホを開く。そこには『既読』とついた画面。既読無視。返事がないという返事がいまだに忘れられない。
「好き」の一言も言えない私の終わり。彼女がいることを知って、それ以上踏み込む勇気もない。彼女のいる君が、返事をしない人でよかった。自分の見る目だけは確かだと知ることが出来たから。アカウントもトークもすぐには消さなかった。それは、ただの私のプライド。
関係を変えたかったわけじゃない。それでも、「君が好きだった」と思わせて、終わらせたい恋だった。卒業して、遠くへ行くらしい君。「今の彼女」とは言わないけど、君のヒロインと、どうかお幸せに。「私だったら良かったのに」なんて、もう思わせないで。
だって、私の役割は、ヒロインではなくて。私の居場所は、君の世界の舞台上でも袖でもない。
ショーケースの中に飾られていた、キラキラの小さな夢物語は、ここで終わり。



