***
昼休み。今日は朝から放課後が待ち遠しくて仕方ない。
俺は教室から外を眺めていた。
その視線の先では、友達とサッカーをしている先輩が、まさに今ボールを蹴り上げている。
太陽に照らされて茶色がかった髪。
頬にうっすら汗を浮かばせながらも、ものすごく爽やかに走っている。
「うわ、かっこよ…」
思わず、声が漏れた。
「おい!春斗」
横から声がして、はっとする。
どうやら窓に手をついたまま、固まっていたらしい。
「お前、また慎也先輩見てんの?」
秋人は呆れたようにため息を吐いた。
「いや、別に」
そう答えておきながら、視線は勝手にグラウンドへ戻る。
走る度に揺れるシャツ。
汗で少し張り付いた髪。
色気すら感じてしまう。
「お前、全然別にじゃねえだろ」
秋人のツッコミも、ほとんど耳に入って来ない。
ーー気づいた時には、立ち上がっていた。
「おい、どこ行くんだよ」
「……汗かいてるから」
「は?」
「飲み物、届けてくる!」
それだけ言って、教室を飛び出した。
廊下を出てすぐの自販機でスポーツドリンクを買って、グラウンドに向かった。
グラウンドに出て、すぐに先輩の姿を探す。
ちょうど試合の合間だったのか、ベンチの近くでタオルを首にかけている先輩を見つけた。
先輩の周りには、取り巻きの女子含め、沢山の人がいる。ーーでも、そんなの関係ない。
「あのっ!先輩」
人だかりをかき分けて先輩の目の前に立って、声をかけた。
「またお前かよ」
先輩は王子様スマイルのまま、口元だけで呟いた。
ーー俺の事、覚えてた!?
「あの、これ、どうぞ」
すかさずスポーツドリンクを差し出す。
「……」
ーーえ、無視?
と思ったところで、耳元に声が落ちる。
「いらねーよ……持って帰れ」
ーーえぇ??
先輩は王子様スマイルを崩さないまま、俺の横を通過して行った。
先輩の背中が遠くなっていく。
さすがにそれ以上は何も言えず、肩を落として教室に戻る。
「おかえり、撃沈男」
秋人がお腹を抱えて笑いながら待ち構えていた。
「うるせー」
俺は、うなだれるように机に突っ伏した。
「だからやめとけって言ったろ。てか、それ俺もらってやろうか?喉乾いてるし」
「は?やだ」
「なんでだよ」
ーーだって、これは!!
「先輩のために、買ったんだよ」
やけになって、自分で一気に飲み干した。
秋人はそんな俺を見て、呆れたように言った。
「…いや、お前、重っ!」
そんなことわかってるわ!
秋人の言葉に心の中でツッコんだ。
昼休み。今日は朝から放課後が待ち遠しくて仕方ない。
俺は教室から外を眺めていた。
その視線の先では、友達とサッカーをしている先輩が、まさに今ボールを蹴り上げている。
太陽に照らされて茶色がかった髪。
頬にうっすら汗を浮かばせながらも、ものすごく爽やかに走っている。
「うわ、かっこよ…」
思わず、声が漏れた。
「おい!春斗」
横から声がして、はっとする。
どうやら窓に手をついたまま、固まっていたらしい。
「お前、また慎也先輩見てんの?」
秋人は呆れたようにため息を吐いた。
「いや、別に」
そう答えておきながら、視線は勝手にグラウンドへ戻る。
走る度に揺れるシャツ。
汗で少し張り付いた髪。
色気すら感じてしまう。
「お前、全然別にじゃねえだろ」
秋人のツッコミも、ほとんど耳に入って来ない。
ーー気づいた時には、立ち上がっていた。
「おい、どこ行くんだよ」
「……汗かいてるから」
「は?」
「飲み物、届けてくる!」
それだけ言って、教室を飛び出した。
廊下を出てすぐの自販機でスポーツドリンクを買って、グラウンドに向かった。
グラウンドに出て、すぐに先輩の姿を探す。
ちょうど試合の合間だったのか、ベンチの近くでタオルを首にかけている先輩を見つけた。
先輩の周りには、取り巻きの女子含め、沢山の人がいる。ーーでも、そんなの関係ない。
「あのっ!先輩」
人だかりをかき分けて先輩の目の前に立って、声をかけた。
「またお前かよ」
先輩は王子様スマイルのまま、口元だけで呟いた。
ーー俺の事、覚えてた!?
「あの、これ、どうぞ」
すかさずスポーツドリンクを差し出す。
「……」
ーーえ、無視?
と思ったところで、耳元に声が落ちる。
「いらねーよ……持って帰れ」
ーーえぇ??
先輩は王子様スマイルを崩さないまま、俺の横を通過して行った。
先輩の背中が遠くなっていく。
さすがにそれ以上は何も言えず、肩を落として教室に戻る。
「おかえり、撃沈男」
秋人がお腹を抱えて笑いながら待ち構えていた。
「うるせー」
俺は、うなだれるように机に突っ伏した。
「だからやめとけって言ったろ。てか、それ俺もらってやろうか?喉乾いてるし」
「は?やだ」
「なんでだよ」
ーーだって、これは!!
「先輩のために、買ったんだよ」
やけになって、自分で一気に飲み干した。
秋人はそんな俺を見て、呆れたように言った。
「…いや、お前、重っ!」
そんなことわかってるわ!
秋人の言葉に心の中でツッコんだ。


