***
登校してから何度時計を見たかわからない。
早く先輩に会いたい。
ノートを開いているのに、内容なんてほとんど頭に入って来ない。
気づけばスマホを取り出していた。
今、メッセージしたら先輩怒るかな。
〚先輩!〛
送信ボタンを押した後、少し迷って、手を振っているスタンプを続けて送る。
ーーさすがに、ふざけすぎたかも。
そう思ったとき、画面が震えた。
〚ばか、きもい〛
「……っ」
思わず小さく笑いがこぼれた。
返信が来たこと。
ちゃんと繋がっていること。
それだけで、胸の奥の方がじんわり暖かくなる。
お昼を告げるチャイムと同時に席を立って、購買に走る。迷わず手に取ったのは、いつもの甘いパン。
会計を済ませて理科準備室へ急いだ。
「おせえ」
「すみません」
扉を開けると、すでに中にいた先輩がこちらを見て眉をよせていた。
買ってきたパンを差し出すと、いつも通り食べ始める。
ーーいつも通り。
向かい合って、パンを頬張る先輩をじっと見つめる。
俺だけが知ってる顔の先輩。
俺の好きな人。
先輩の好きな人も……俺?
いつ、聞こう。
どうやって聞こう。
「……お前、いつもいつも見惚れてんじゃねーよ」
「え……」
言い返す間もなく、ぐいっと腕を引かれる。
強く引き寄せられて、先輩の胸にぶつかった。
そのまま顔を上げると、すぐ目の前に先輩の顔があって、先輩の視線がゆっくりと落ちてくる。
キス、だよね?
ーーでも、このままじゃだめだ。
「……待って」
その言葉に、先輩の動きが止まる。
キスはしたい。
すごくしたいんだけど……でも。
「ちゃんと……教えてください」
昨日も、今も。
「……なんで、キスしてくれるんですか?」
先輩の気持ちが、知りたい。
「先輩は……俺のこと、好きですか?」
何も言わずにただじっと俺を見る先輩の視線から、目を逸らせない。
「……ほんと、めんどくせえな」
ぐい、と顎を引かれた。
「……っ」
反応する間もなく、唇が重なる。
何が起きたのか理解できないまま、固まる。
「……好きに決まってんだろ」
ーー"好き"
遅れて落ちてきた先輩の言葉。
「あの……もう一回、言ってください」
「あ?調子乗んな、ばーか」
そう言って、逃げれないくらい強く抱き締められた。
先輩の腕の中は、夢で見た時よりもずっと心地よくて、ずっと近くに先輩を感じた。
「ねえ、先輩、夢の続きしてよ」
「あ?夢はもう忘れろ」
そう言ってもう一度引き寄せられて、さっきよりも深く、唇が重なった。
ほんのり甘くて、キャラメルの味がした。
_______MEMO_______
【先輩の好きな物→ ドーナツ、甘い物】
【先輩の特技→ ドーナツ作り、俺をドキドキさせること】
【先輩の誕生日→ 4月20日】
【先輩の家族構成→ 一人っ子】
【先輩の親友→ 本間さん】
【先輩の好きな人→俺】
【先輩の口癖→調子乗んな、ばーか】
______
これからも、きっと増えていく。
登校してから何度時計を見たかわからない。
早く先輩に会いたい。
ノートを開いているのに、内容なんてほとんど頭に入って来ない。
気づけばスマホを取り出していた。
今、メッセージしたら先輩怒るかな。
〚先輩!〛
送信ボタンを押した後、少し迷って、手を振っているスタンプを続けて送る。
ーーさすがに、ふざけすぎたかも。
そう思ったとき、画面が震えた。
〚ばか、きもい〛
「……っ」
思わず小さく笑いがこぼれた。
返信が来たこと。
ちゃんと繋がっていること。
それだけで、胸の奥の方がじんわり暖かくなる。
お昼を告げるチャイムと同時に席を立って、購買に走る。迷わず手に取ったのは、いつもの甘いパン。
会計を済ませて理科準備室へ急いだ。
「おせえ」
「すみません」
扉を開けると、すでに中にいた先輩がこちらを見て眉をよせていた。
買ってきたパンを差し出すと、いつも通り食べ始める。
ーーいつも通り。
向かい合って、パンを頬張る先輩をじっと見つめる。
俺だけが知ってる顔の先輩。
俺の好きな人。
先輩の好きな人も……俺?
いつ、聞こう。
どうやって聞こう。
「……お前、いつもいつも見惚れてんじゃねーよ」
「え……」
言い返す間もなく、ぐいっと腕を引かれる。
強く引き寄せられて、先輩の胸にぶつかった。
そのまま顔を上げると、すぐ目の前に先輩の顔があって、先輩の視線がゆっくりと落ちてくる。
キス、だよね?
ーーでも、このままじゃだめだ。
「……待って」
その言葉に、先輩の動きが止まる。
キスはしたい。
すごくしたいんだけど……でも。
「ちゃんと……教えてください」
昨日も、今も。
「……なんで、キスしてくれるんですか?」
先輩の気持ちが、知りたい。
「先輩は……俺のこと、好きですか?」
何も言わずにただじっと俺を見る先輩の視線から、目を逸らせない。
「……ほんと、めんどくせえな」
ぐい、と顎を引かれた。
「……っ」
反応する間もなく、唇が重なる。
何が起きたのか理解できないまま、固まる。
「……好きに決まってんだろ」
ーー"好き"
遅れて落ちてきた先輩の言葉。
「あの……もう一回、言ってください」
「あ?調子乗んな、ばーか」
そう言って、逃げれないくらい強く抱き締められた。
先輩の腕の中は、夢で見た時よりもずっと心地よくて、ずっと近くに先輩を感じた。
「ねえ、先輩、夢の続きしてよ」
「あ?夢はもう忘れろ」
そう言ってもう一度引き寄せられて、さっきよりも深く、唇が重なった。
ほんのり甘くて、キャラメルの味がした。
_______MEMO_______
【先輩の好きな物→ ドーナツ、甘い物】
【先輩の特技→ ドーナツ作り、俺をドキドキさせること】
【先輩の誕生日→ 4月20日】
【先輩の家族構成→ 一人っ子】
【先輩の親友→ 本間さん】
【先輩の好きな人→俺】
【先輩の口癖→調子乗んな、ばーか】
______
これからも、きっと増えていく。


