一番遠い隣の席で、君と名前のない恋を綴る

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
本作は、「一番近くにいるのに、本当の自分を見せられない」という現代的な孤独と、それでも誰かと繋がりたいと願う勇気をテーマに書き上げました。
執筆中、一番こだわったのはラストの『登校シーン』です。
小夜にとって、あの朝は単なる通学ではありませんでした。これまでの自分を守り、同時に閉じ込めてきた眼鏡とマスクを置いた瞬間、それは昨日までの臆病な自分との決別であり、偽りの姿で通う『最後の登校』になったのだと思います。
「ありのままの自分でいること」は、言葉にするほど簡単ではありません。でも、それを受け止めてくれる誰かがきっとどこかにいる。そんな願いを込めて、最後の一行を書き添えました。
読み終えた皆様の心に、少しでも温かな余韻や、明日への小さな勇気が灯れば、作者としてこれほど嬉しいことはありません。
皆様の日常の中にも、もし『脱ぎ捨てたい仮面』があるのなら。小夜が感じたあの朝の光が、この物語を通じて少しでも届くことを願っています。