「………よし。これで、私じゃない私になれる」
自室の鏡の前で、私は小さく息を吐いた。
顔の半分を覆っていた白いマスクをゴミ箱に放り込み、度のない伊達眼鏡を机に置く。慣れた手つきで薄くリップを引き、薄いピンクのチークを塗る。唇と頬にほんのりと色が差すだけで、鏡の中にいるのは、クラスの誰にも見せたことがない「夜」という女の子だ。
スマホを手に取り、お気に入りの角度で自撮りをする。背景が写らないように、でも窓から差し込む月光が綺麗に入るように。
SNSにアップすると、数秒で通知が跳ねた。
『夜ちゃんの今日のメイク、透明感があって好き』
『その色、すごく似合ってるね』
自室の鏡の前で、私は小さく息を吐いた。
顔の半分を覆っていた白いマスクをゴミ箱に放り込み、度のない伊達眼鏡を机に置く。慣れた手つきで薄くリップを引き、薄いピンクのチークを塗る。唇と頬にほんのりと色が差すだけで、鏡の中にいるのは、クラスの誰にも見せたことがない「夜」という女の子だ。
スマホを手に取り、お気に入りの角度で自撮りをする。背景が写らないように、でも窓から差し込む月光が綺麗に入るように。
SNSにアップすると、数秒で通知が跳ねた。
『夜ちゃんの今日のメイク、透明感があって好き』
『その色、すごく似合ってるね』

