明けない夜も、君のそばにいる。

月璃(るり)さん……!」
 階段の踊り場で、彼女を見つける。
「どうせあの女の人も、海衣(かい)さまにとっては遊び相手なのに、自分のほうが愛されてると思ってたよね。笑える」
 自嘲的な笑い。
「私、妃だと思われてなかったんだね……。笑える」
月璃(るり)さん……」
「……菜花(さな)、さん。私と、仲良くしてくれて、ありがとね」
 月璃(るり)さんは、階段を上っていく。


 それが、彼女と交わした最後の会話だった。
 この後、彼女は飛び降りた。
 ――黒宮王国の第一王子の妃の自殺。
 それは、黒宮に暗い影を落とした。