馴染みの文具屋で紙を買ってから、官庁へ入った瑤華は、息子が庭で侍従と遊びだしたのを確認してから、その傍らで仕事をはじめる。
文書を受け取り、朱を入れ、整える――この景朝で生活するひとびとの名を残すのではなく、整えるのが瑤華の仕事で、静かな役目だった。
息子は庭で黙々と石を並べ、何かを作っている。
「お城?」
問いかけると誇らしげに頷く。景朝のお城、それは瑤華が後宮に召喚されて皇帝とひとときの愛を育んだ場所だ。自分がそこで生まれたことを知らないだろうに、息子は無邪気に王朝への憧れを口にする。
「珠児ね、いつか皇帝陛下に仕官するの」
彼女は、否定も肯定もすることなく、それ以上聞かなかった。
文書を受け取り、朱を入れ、整える――この景朝で生活するひとびとの名を残すのではなく、整えるのが瑤華の仕事で、静かな役目だった。
息子は庭で黙々と石を並べ、何かを作っている。
「お城?」
問いかけると誇らしげに頷く。景朝のお城、それは瑤華が後宮に召喚されて皇帝とひとときの愛を育んだ場所だ。自分がそこで生まれたことを知らないだろうに、息子は無邪気に王朝への憧れを口にする。
「珠児ね、いつか皇帝陛下に仕官するの」
彼女は、否定も肯定もすることなく、それ以上聞かなかった。



