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とんとんてんてんとんてんてん……。
黄色い蝋梅の花が咲く官舎の庭先で鞠つき遊びをしていた珠児は、仰々しい一行が廊下を渡っていくのを見かけ、思わず手にしていた鞠を落としてしまう。
「あっ」
地面にぶつかりぽーん、と跳ねた鞠はその仰々しい集団の方へと転がっていく。
そのなかでも特に目立つ、紫紺の上質な服を着た大柄の男性の手のなかへ吸い込まれるように鞠はころころ転がっていった。
「このようなところで危ないだろう! 陛下の御前であるぞ!」
「ひっ、ごめんなさい!」
「よい。面をあげよ」
珠児はぺこりとお辞儀をしたまま、鞠を持つ男性の顔を上目遣いになってまじまじと見つめる。
赤い組紐でひとつに結われた真っ赤な着物の子どもに見つめられ、玄耀もまた目をまるくする。
「へいか? えらいひと?」
「かしこまらなくてもいいぞ。いかにも、我は景朝国第八代皇帝、景玄耀。お主の名は?」



