あれはいつのことだっただろう。 家族とはぐれた森の中で、男の人を助けたことがある。 私が彼の穢れを祓ってあげたら、彼は嬉しそうに微笑えんで、ありがとうと言ってくれた。 穢れを祓うことは私の中で当たり前すぎて。 だから、ありがとうなんてお礼を言われたのが嬉しかったのを覚えている。 もう一度、ありがとうって、言われたいな。 そんな風に思ったけど、それはそのあと、叶わなくなった。 私の体が、穢れてしまったから――――。