第47話 メモ帳から始まる相談
(蟹座君♂x水瓶座ちゃん♀)
日曜の買い物の帰り、図書室で、薄い雲が流れていた。机の上にはプリントが積まれ、チャイムの余韻だけが残っていた。
一緒に帰る日が増えた頃、二人はまだ人前で手をつなぐのが得意じゃない。けれど隣に座る距離だけは、自然に近い。
今日はプリントを整える。そこにメモ帳が出てくる。小さいのに、あるとないとで安心感が違う。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。健人は「それ、私が持つよ」と返し、役割をぱっと分ける。
望海は相手の「好き」を尊重する、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にあるメモ帳は順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき健人が「一回止めよう」と手を上げ、望海が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
望海は歩きながら、ふとメモ帳を見つめた。「これって、ただの道具なのにさ」と言いかけて止まる。健人が「うん」と待つと、望海は小さく笑い、「一緒に使うと、思い出になるね」と続けた。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。望海が「今日は助かった」と言うと、健人は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
帰り道、健人は「次は望海のやりたいことを先に聞く」と言った。望海は少し考えてから、メモ帳を軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の視線が合うたび、心が落ち着いた。
【終】
(蟹座君♂x水瓶座ちゃん♀)
日曜の買い物の帰り、図書室で、薄い雲が流れていた。机の上にはプリントが積まれ、チャイムの余韻だけが残っていた。
一緒に帰る日が増えた頃、二人はまだ人前で手をつなぐのが得意じゃない。けれど隣に座る距離だけは、自然に近い。
今日はプリントを整える。そこにメモ帳が出てくる。小さいのに、あるとないとで安心感が違う。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。健人は「それ、私が持つよ」と返し、役割をぱっと分ける。
望海は相手の「好き」を尊重する、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にあるメモ帳は順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき健人が「一回止めよう」と手を上げ、望海が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
望海は歩きながら、ふとメモ帳を見つめた。「これって、ただの道具なのにさ」と言いかけて止まる。健人が「うん」と待つと、望海は小さく笑い、「一緒に使うと、思い出になるね」と続けた。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。望海が「今日は助かった」と言うと、健人は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
帰り道、健人は「次は望海のやりたいことを先に聞く」と言った。望海は少し考えてから、メモ帳を軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の視線が合うたび、心が落ち着いた。
【終】


