第130話 洗濯ネットを渡す瞬間
(水瓶座君♂x山羊座ちゃん♀)
帰り道の夕焼け、学校の廊下で、夕方の匂いがしていた。清掃当番の札が揺れ、誰かの足音が遠くへ消えた。
付き合い始めて間もなく、理空は新しい道具や仕組みを試す。恵はそれを追いかけながら、ほうきの柄を握り直す。
今日の担当は部室をきれいにする。手元には洗濯ネットがあり、使い方を間違えるとベタついたり匂いが残ったりする。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。理空は「これ、アプリでできる」と返し、役割をぱっと分ける。
恵は相手の不安を言葉で整える、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にある洗濯ネットは順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき理空が「一回止めよう」と手を上げ、恵が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
恵が靴ひもを結び直している間、理空は周りを見回し、来週の予定を指で数えた。「会える日は少ないけど、短くてもいい」と言うと、恵は「短いほど大事にする」と返して、目を合わせた。
片づけの最中、洗濯ネットが机から転がりそうになり、理空が反射で押さえた。その手の速さに恵が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。理空は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、理空は「次は恵のやりたいことを先に聞く」と言った。恵は少し考えてから、洗濯ネットを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の時間が、少しだけ増えた。
【終】
(水瓶座君♂x山羊座ちゃん♀)
帰り道の夕焼け、学校の廊下で、夕方の匂いがしていた。清掃当番の札が揺れ、誰かの足音が遠くへ消えた。
付き合い始めて間もなく、理空は新しい道具や仕組みを試す。恵はそれを追いかけながら、ほうきの柄を握り直す。
今日の担当は部室をきれいにする。手元には洗濯ネットがあり、使い方を間違えるとベタついたり匂いが残ったりする。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。理空は「これ、アプリでできる」と返し、役割をぱっと分ける。
恵は相手の不安を言葉で整える、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にある洗濯ネットは順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき理空が「一回止めよう」と手を上げ、恵が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
恵が靴ひもを結び直している間、理空は周りを見回し、来週の予定を指で数えた。「会える日は少ないけど、短くてもいい」と言うと、恵は「短いほど大事にする」と返して、目を合わせた。
片づけの最中、洗濯ネットが机から転がりそうになり、理空が反射で押さえた。その手の速さに恵が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。理空は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、理空は「次は恵のやりたいことを先に聞く」と言った。恵は少し考えてから、洗濯ネットを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の時間が、少しだけ増えた。
【終】


