第124話 保冷剤とふたりの手
(水瓶座君♂x蟹座ちゃん♀)
朝練のあと、駅の改札横で、空気が少しひんやりしていた。ポケットの中で小さな振動が続き、二人の会話が途切れた。
付き合い始めてまだ数日、梨乃は画面を見て「ごめん、ここで止まりそう」と困り顔。智紀は立ち止まり、鞄の中を探る。
助けになるのが保冷剤。機械のことが苦手でも、二人なら何とかなる気がした。
途中で梨乃が鞄をごそごそ探して、困ったように肩をすくめた。「あ、持ってくるの忘れた」——その一言で、智紀は立ち止まる。
実は智紀は昨日、同じ保冷剤をもう一つ用意していた。理由は、梨乃が前に「これがあると助かるんだ」と言ったのを覚えていたから。智紀は「発想を変えよう」と言いながら、そっと手渡した。
梨乃は受け取り、しばらく黙ったあと、「無理してない?」と笑った。声は小さいのに、胸の中がじんわり温かくなる。智紀は「じゃ、今使おう」と前を向き、梨乃はその背中に小さく「うん」と重ねた。
片づけの最中、保冷剤が机から転がりそうになり、智紀が反射で押さえた。その手の速さに梨乃が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。智紀は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
片づけの最中、保冷剤が机から転がりそうになり、智紀が反射で押さえた。その手の速さに梨乃が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。智紀は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、智紀は「次は梨乃のやりたいことを先に聞く」と言った。梨乃は少し考えてから、保冷剤を軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の帰り道が、いつもより明るく見えた。 梨乃は笑ってうなずき、智紀の袖を軽く引いた。
【終】
(水瓶座君♂x蟹座ちゃん♀)
朝練のあと、駅の改札横で、空気が少しひんやりしていた。ポケットの中で小さな振動が続き、二人の会話が途切れた。
付き合い始めてまだ数日、梨乃は画面を見て「ごめん、ここで止まりそう」と困り顔。智紀は立ち止まり、鞄の中を探る。
助けになるのが保冷剤。機械のことが苦手でも、二人なら何とかなる気がした。
途中で梨乃が鞄をごそごそ探して、困ったように肩をすくめた。「あ、持ってくるの忘れた」——その一言で、智紀は立ち止まる。
実は智紀は昨日、同じ保冷剤をもう一つ用意していた。理由は、梨乃が前に「これがあると助かるんだ」と言ったのを覚えていたから。智紀は「発想を変えよう」と言いながら、そっと手渡した。
梨乃は受け取り、しばらく黙ったあと、「無理してない?」と笑った。声は小さいのに、胸の中がじんわり温かくなる。智紀は「じゃ、今使おう」と前を向き、梨乃はその背中に小さく「うん」と重ねた。
片づけの最中、保冷剤が机から転がりそうになり、智紀が反射で押さえた。その手の速さに梨乃が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。智紀は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
片づけの最中、保冷剤が机から転がりそうになり、智紀が反射で押さえた。その手の速さに梨乃が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。智紀は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、智紀は「次は梨乃のやりたいことを先に聞く」と言った。梨乃は少し考えてから、保冷剤を軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の帰り道が、いつもより明るく見えた。 梨乃は笑ってうなずき、智紀の袖を軽く引いた。
【終】


