第121話 カミソリの約束
(水瓶座君♂x牡羊座ちゃん♀)
日曜の買い物の帰り、家の洗面所は静かで、薄い雲が流れていた。花梨は指先をそっと押さえ、息を短く吐いた。
直生は椅子を引いて隣に座り、「それ、別の方法あるよ」と言いかけて、声の大きさを半分にする。
机の上にはカミソリ。先生の説明より先に、直生は花梨の表情を見て、無理をさせたくないと思った。
作業の途中、直生のスマホが鳴った。画面の通知を見た花梨は、一瞬だけ黙る。昨日の返事が来ていないままだったことを思い出したのだ。
直生は慌てて説明しようとして、言葉が絡まる。そこでカミソリを持ち上げ、「今はこれを一緒にやりたい」と言い直した。逃げずに言い切ったのが、自分でも意外だった。
花梨は深呼吸して、思いついたらすぐ手を伸ばす。二人で手を動かし、カミソリが役目を終えるころには、空気の角が丸くなっていた。最後に直生が「送れてなかった」と画面を見せると、花梨は「じゃあ、今日の分は目の前で言う」と笑い、短く「好き」と言った。
片づけの最中、カミソリが机から転がりそうになり、直生が反射で押さえた。その手の速さに花梨が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。直生は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
片づけの最中、カミソリが机から転がりそうになり、直生が反射で押さえた。その手の速さに花梨が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。直生は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、直生は「次は花梨のやりたいことを先に聞く」と言った。花梨は少し考えてから、カミソリを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の距離は、前よりも少しだけ縮まった。
【終】
(水瓶座君♂x牡羊座ちゃん♀)
日曜の買い物の帰り、家の洗面所は静かで、薄い雲が流れていた。花梨は指先をそっと押さえ、息を短く吐いた。
直生は椅子を引いて隣に座り、「それ、別の方法あるよ」と言いかけて、声の大きさを半分にする。
机の上にはカミソリ。先生の説明より先に、直生は花梨の表情を見て、無理をさせたくないと思った。
作業の途中、直生のスマホが鳴った。画面の通知を見た花梨は、一瞬だけ黙る。昨日の返事が来ていないままだったことを思い出したのだ。
直生は慌てて説明しようとして、言葉が絡まる。そこでカミソリを持ち上げ、「今はこれを一緒にやりたい」と言い直した。逃げずに言い切ったのが、自分でも意外だった。
花梨は深呼吸して、思いついたらすぐ手を伸ばす。二人で手を動かし、カミソリが役目を終えるころには、空気の角が丸くなっていた。最後に直生が「送れてなかった」と画面を見せると、花梨は「じゃあ、今日の分は目の前で言う」と笑い、短く「好き」と言った。
片づけの最中、カミソリが机から転がりそうになり、直生が反射で押さえた。その手の速さに花梨が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。直生は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
片づけの最中、カミソリが机から転がりそうになり、直生が反射で押さえた。その手の速さに花梨が笑い、「そういうとこ、好き」とさらりと言う。直生は耳まで赤くしながら「今のは反則」と小声で返した。
帰り道、直生は「次は花梨のやりたいことを先に聞く」と言った。花梨は少し考えてから、カミソリを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の距離は、前よりも少しだけ縮まった。
【終】


