でも確かに慶賀くんの言う通りで、「知ってそうな人」────「知ってそうな妖」なら心当たりがある。
白髪の髪に黄金色の瞳、妖であって穢れを嫌う唯一無二の存在。十二神使、白虎の恣冀。
「その白虎ってのを、騰蛇みたいに呼び出して話を聞くことはできねぇの?」
「眞奉は私と結びを作っているから従ってくれているだけで、白虎とはなんの契約も結んでいないから呼び出せないんだ」
「じゃあ契約すれば良くね?」
馬鹿か、と恵衣くんが息を吐いた。
残念ながら十二神使である眞奉と結びを作れたのは、眞奉が既に現世に顕現しており禄輪さんから譲り受けたからであって、基本的に十二神使は審神者以外の人間が呼び出して結びを作れるものではないのだ。
ふーん、めんどくせぇな、と他人事のように呟いた慶賀くんがふわぁと欠伸をこぼす。苦笑いを浮かべた。
「恐れながら君」
部屋の隅に静かに座っていた眞奉が私を呼んだ。
「どうしたの?」
「白虎についてですが、あの者を今呼び出すことは不可能です」
「え? どういうこと?」
皆の注目が眞奉に集まる。
相変わらずの無表情で私だけをじっと見つめ答えた。
「君の言祝ぎの総量が減少し、君のお傍を離れていた間撞賢木厳之御魂天疎向津媛命のもとに戻っておりましたが、十二神使の中にあの者の姿はございませんでした。ですから呼び出しても意味がないかと」



