言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


せっかくならガッツリ食べたくね?という慶賀くんのリクエストにより、私たちは深夜一時に焼肉丼をかき込んだ。

冷蔵庫にあった死にかけのお肉を、焼肉のタレで味付けして片っ端から炒め、お米に乗せただけのシンプルな夜食だ。

普段ならこんな時間にこんなハイカロリーなものは絶対に食べないのだけれど今日は特別だ。

帆負命が作ってくれた料理もとても美味しかったのだけれど、どれも野菜がメインの精進料理みたいなものばかりだったので肉に飢えていた。

「美味ぇよォ……」と涙を浮かべながらお肉を噛み締める慶賀くんになんだか泣けてくる。


「で、明日からの行動を考えるんでしょ? 三つ目の三種の神器、御覇李鈴(おはりのすず)を探すってことだよね」


お肉を噛み締めながら来光くんがホワイトボードに「御覇李鈴」と書き込む。行儀悪いんだよ、と恵衣くんが顔を歪めた。


「巫寿ちゃんの話だと、鈴は先代の審神者(さにわ)さまがどこかに隠したってことだよね?」


そう尋ねられて「うん、間違いないと思う」と頷く。

三つ目の神器、巫女鈴の御覇李鈴はうずめの社が保管していた。けれど空亡戦の最終局面直前になって、志ようさんが宝物殿から盗み出した。それは未だ見つかっておらず、おそらく失せ物探しの呪歌の効果が発揮されない場所にあるということだ。


「この世のどこにあるか分からない手のひらサイズの鈴をどうやって探し出せば良いのやら……気が遠くなりそうだね」


ふぅ、と息を吐き遠い目をした嘉正くん。


「なんか知ってそうな人いねーの?」

「そんな奴がいたら、とっくにそいつが見つけ出してるに決まってるだろ。バカなのか」