でもそうじゃなければ、恵衣くんがこんなにフレンドリーに喋ってくれることも、無駄話に付き合ってくれるのも、こうして疲れ果てた帰り道に肩を貸してくれることもなかったはずだ。
これは間違いなくいい変化と言えるだろう。
くくく、と恵衣くんが喉の奥で笑って頭を乗せた肩が小刻みに揺れる。その揺れがとても心地よかった。
心地よく揺れる車内と頬に当たる柔らかな体温、肩の力が抜ける心地よい匂いに目を閉じた。
願わくばもう少しだけこの時間が続きますように。
こっそりと胸の中でそう祈りながら、そっと眠りについた。
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