鳥居の構造や建立方法を授業では習っていたけれど、実際に自分たちの手で組み立てるのはとても新鮮だった。
帆負命の的確な指示の元、私たちは朝から晩まで必死に土を掘り、重い丸太を運び、式神を使って組み立てたりもした。
神修の教室の中だけじゃ絶対に経験できない体験に、皆は終始どこか楽しそうな顔だった。
日中は鳥居建立を手伝い、汗まみれになって帆負命の社に帰ってきて、皆で夕飯を食べて眠る。そんな日々を十日ほど繰り返したある日の朝、帆負命は「お前たちのお陰で予想よりも、早く作業が進んでる」とお茶を啜りながら零した。
「おっ、マジで! 俺たち意外と役に立つだろ〜?」
「ああ。昨日の作業で進めておきたい分までは終わったから、今日ふくらの社の鳥居を開けてやる」
あまりにもサラッと告げられた衝撃的な内容に、カランとみんなの箸が床に転がった。
ブフォってと味噌汁を吹いた慶賀くんの真正面に座っていた来光くんのメガネにワカメが張り付く。「ふざけんな慶賀ッ!」と悲鳴が上がった。
「帆負命それマジ!?」
「ああ。修理だけなら一日あればできる」
ぱっと視線を合わせた私たち。
「超助かる! 今すぐにでもっ……」
「待って慶賀、開けてもらうのは明日にしてもらおう」
すかさず止めに入ったのは嘉正くんだ。



