「掘ってもらうって……これスコップじゃん!」
神にツッコむなんて恐れ多くてできないと思っていたのだけれど、それをやってのけるのが慶賀くんだ。間髪入れずに鋭いツッコミが炸裂する。
「文句を言うな。土鋤を作るには時間も労力もかかるんだ。それがあるだけ有難いと思え」
帆負命は丸太のそばにあった自分のシャベルを肩に担いで歩いてくると、柄を高く被ると思い切り地面に突き刺した。
音を立てずに深く刺さったシャベルの上には真っ黒な塊が乗っかっている。それを後ろにパッと投げ捨てた帆負命は淡々とその動作を繰り返していく。
今まで深く考えたこともなかったけれど、鬼脈の地面ってそんな感じで掘れるものなの……?
要領を掴んだ皆は指示された場所に座り込んで恐る恐るスコップを地面に突き刺した。
「うわっスゲェ、これめっちゃ掘れる!」
「なにこれ!? 音しないのに掘る感覚だけは伝わってくる!」
うおお、と感心したようにスコップを天高々と掲げる二人。
「当たり前だ、それは神器だぞ」
苦い顔でそう零した恵衣くんは恐る恐る地面を掘り始める。
言われてみればそうだ。帆負命が作ったスコップ、つまり神から与えられた道具だからこれは神器ということになる。
「恐れ多くて、あんなに勢いよく振りかざせないよ。そもそもこの状況ですらまだ飲み込めてないのに」
頬をかいた嘉正くんは苦笑いを浮かべる。



