「でも、でも……ッ! 俺ら仲間だろ! 親友だろ! ふざけんなよ!」 理解はできるけれど納得がいかないという顔で慶賀くんが叫ぶ。 泰紀くんは何かをこらえるように眉根を寄せて唇をすぼめると顔を背けた。 「悪いな、とは言わねぇぞ。俺は謝らねぇ。これが俺の信念で、俺が守りたいものだから」 泰紀くんは背を向けて寮へ戻っていく。 この日から私たちは違う道を歩き出した。