「これも理由が重視される問答だな」
鶴吉の呟きに対して泰紀が首を捻った。
「理由も何も、神職ならそうするのが正解だろ? 自分が犠牲になったとしても助けれる命があるなら、神職はそうするだろ」
ニヤリと笑って泰紀の頭をガシガシと撫でた鶴吉は「お前はまだまだひよっこだな」と笑う。
ひよっこってなんだよ。
「はい!」と手を挙げて答えようとした泰紀に「勇なバカ」と亀世がその尻を蹴飛ばした。
「理由が重要だって言った鶴吉の言葉聞いてなかったのか?」
「聞いてたって。これ、俺らに利他的精神があるかどうか試してんだろ? "自分を犠牲にしても救える命があるなら救う"が真っ当な理由だろ」
「これだから単細胞ゴリラは」
「そろそろ単細胞ゴリラ引っ張るのやめてくんね?」
泰紀の抗議はスルーして、亀世は顎に手を当てて黙り込んだ。泰紀の解答は採用する気がないらしい。
ちぇ、と唇を尖らせて隣の鶴吉に声をかけた。
「鶴吉さんならどうする?」
「俺ぇ? 俺ならそんな選択が発生するような案件は絶対に引き受けないから、どうもしない」
良くも悪くもそっくりなんだよなこの双子。
さっきの亀世と似たような回答をした鶴吉にため息を吐く。鶴吉だって答えになっていないじゃないか。



