走って戻ってきた鶴吉が泰紀の脇に手を差し込んだ。 「自分で歩けるか? 悪いな、俺はお前みたいなゴリラを担げるほどの力はないんだよ」 「ゴリラってなんだよ……この試練突破できたの俺のおかげだろ」 不貞腐れながら立ち上がる。段々なんだか拗ねるのも馬鹿らしくなってプッと吹き出した。 扉を押し開けながら振り返る。しんと静まり返る室内に、クラスメイトたちが親指を突き立てて笑う顔を見た気がした。