言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


両方ダメならやっぱり物理攻撃か?

でも火も水も平気な奴が物理攻撃で倒せるとは思えない。じゃああいつを倒す方法はなんなんだ?

あれこれ思案している間にも形代は息付く間もなく祝詞と物理攻撃を交互にぶつけてくる。

相手に次の攻撃を考えさせるすきを与えない戦法も全く自分と同じだ。


同じ体格、同じ力量、同じ戦法を使ってくる相手をどうやって倒す。


形代の攻撃を受け流しながら1つ目の試練を思い返した。

次々現れる祓除対象や呪いや残穢を正しい祝詞奏上で祓う「神職としての知識」が試される試練だった。この第二の試練は、自分と全く同じ力量の形代と戦って勝たなければならない「神職としての力量」を測る試練。

最初にも感じたけれど、なぜ同じ力量の形代と戦うことが「力量を試す」ことになるのだろうか?

そもそも戦って勝つという定義はなんだ?

紙なら燃やしてはいにすれば勝ちだと思っていたけれど、火も水も聞かない。破り捨ててしまえばあの形代の中に埋め込まれた鍵も一緒に壊れてしまうはずだ。

深く考え込むのは得意じゃない。作戦を練るのは頭のいい同級生たちに任せっきりだった。

ふと、自分たちの中でずば抜けて優秀な同級生二人の顔を思い出す。


恵衣や嘉正なら、こういう時はどう考える?


『闇雲に戦ったら体力を削られるだけだから、早いうちに勝ちの定義を明確にしたいよね。なんの攻撃が有効なのか、敵をどんな状態にしたら勝ちなのか、とか』


頭の中で嘉正が顎に手を当てて首をひねる。