「守り給えッ……!」
咄嗟の奏上は半分間に合った。形成が甘かった部分を突き破り風の刃が泰紀の頬を切る。ピッと赤い線が入り、歯を食いしばる。
「前からの攻撃ばっかりだと思うなよ」
火球を避けた形代が口角を上げる。
ぷちん、と泰紀の何かがキレた。
「はぁぁぁあ!? 何こいつ! 俺の事煽ってきたぞ!?」
形代を指さして振り向けば、双子は「何を当たり前なことを」とでもいいたげな顔でこちらを見ている。
「喋るんだから普通に煽ってもくるだろ。知能指数も同じだから、自分と同じレベルの煽り文句言ってくるぞ」
「ムカつくよなぁ。俺も最初ボコボコにしてやろうかと思ったよ。負けたけど。ハハッ」
形代を睨みつける。自分と全く同じ顔で小馬鹿にしたようにこちらを見ていた。
この野郎、と拳を握りしめている自分に気が付き慌てて深く息を吐いた。試合中に感情的になってはいけない。
「ちなみに、相手が形代だからって火や水をぶつけても意味ないぞ。濡れんし燃えん」
「だからそういう情報は先言ってくれよ……とッ!?」
足元に火球が落ちてたたらを踏んだ。
そして自分の作戦は亀世たちにはお見通しだったらしい。亀世の言う通り、形代は紙でできているから火で燃やすか水で濡らせば倒せるんじゃないかと、作戦を組み立てていた。



